1、
「来てしまった……」
幼なじみの撫子に誘われて、初めて街コンにやって来た。
会場となっているのは、新潟市にある柳和ホテル。
「受付はあっちだって。さち、行くよ! 彼氏ゲットだぁ!」
「はいはい。なんで、あたしまで……」
乗り気ではないあたしを気づいているのか、いないのか。撫子は鼻息を荒く……。してはないけれど、街コンで彼氏をゲットするんだと、意気揚々としている。
受付では、事前に送られてきたメールに記載されていた五桁の数字を伝えると、何やら個人情報の取り扱いやら、街コンのルールやらの同意書にサインしなくてはならなかった。
記名した同意書を渡すと、また新たな用紙があたしの元へ。
《プロフィール》の文字が目に入る。
「多々野様は、今回初めてのご参加ですね」
「はい」
「こちらのプロフィールシートの記入をお願いします。受付脇のスペースが、記入スペースとなっています。記入が終わりましたら、会場入り口前のスタッフにお声がけ下さい」
「はい」
(面倒くさいけど、まぁ、当たり前か。仕方ない……)
そもそも、プロフィールって何を書くんだっけ? プロフィールとか小学生の時に流行ってたな。
あの時は、好きな食べ物とか、好きなものとか書いてた。そんな気がする。
「さち、受付終わった?」
「終わった。撫子は、もう書いたの?」
「書いたよ。この街コン、何回目だと思ってるの?」
「5回目くらい?」
「残念。まだ3回」
「そんなの、5回目と変わらないでしょ」
「変わるよ! 3回目だと、まだスタッフさんに顔と名前を覚えられてないけれど、5回目ともなると、覚えられるからね?」
(はいはい。多分、3回目でも覚えられるって)
そんな心の声を抑え込んで。
受付脇のスペースでプロフィールシートと向き合う。
名前。生年月日に血液型。職業に趣味に、学歴。それに、フリースペース?
「撫子、助けて」
「どしたの?」
「フリースペースって何?」
「そこには、インドア派です。とか、本は紙媒体派です。とか書けば良いの。さちだと、ネットカフェ行くの好きでしょ。そういうの書けば?」
流石、街コン3回目。具体的に教えてくれる。
こういうのは、経験者に聞かないと、分からないから。
(あたしの場合は……。ネットカフェに行くのが好き。小説、マンガ好き。ゲーム好き)
こんな感じで良いのかな?
「どう? 書けた?」
「とりあえず、こんな感じかな」
「うん。良いじゃん」
本当に良いのか、わからない。わからないけれど、こんなプロフィールを見て、惹かれる人なんているわけないだろうな。
「さち、何してるの? 会場に入ろう」
「うん」




