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追放されしNTR勇者は辺境の地でスローライフを ~聖女と共に最強の村を作ります~  作者: 桜井正宗


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第24話 寝取られて……クソおおおおおお!!

『……や、そんなところ……!』

『ハハハッ! オーロラ、お前はもう俺のモノ! どうだ、エルド……今の気分は!?』


 ハルネイドは、俺の目の前で凌辱(りょうじょく)を繰り返していた。

 オーロラの服をボロボロにして……強引に彼女を辱めていた。



 クソ、クソッ!



 また……。

 また俺は大切な人をハルネイドに寝取られて……クソおおおおおお!!



 ・

 ・

 ・



「うああああああああああああああああああ!!」



 心臓がバクバクする。

 手汗どころから体中の汗がにじむ。

 震えが止まらん……。



 俺は、今、なにを……。



「エルドさん、また悪夢を……(うな)されていましたよ」

「悪夢。……そうか、夢だったか」



 気づけば俺は中央噴水広場にあるベンチで眠ってしまっていたらしい。……疲れだな。

 今までほとんど休みなく戦闘やら、歩き回ったりしていたからな。



疲労困憊(ひろうこんぱい)ですね。帰りましょう」

「だけど、まだ材料が残り二つ……」

「無理はいけません!」


「うーん、でもヤツ等が攻めてくるし」

「大丈夫です。エルドさんが寝ている間にクレミアにも強力を仰いでおきましたので」

「クレミアに?」

「はい。なので安心してください」



 そうか。俺が寝ている間にクレミアが来ていたんだな。なら、オーロラとクレミアに任せよう。

 オーロラのお言葉に甘え、俺は体を休めておく。

 今休んでおかねば、戦争になった時に戦えないしな。



 ◆



 家で待ち続け、夜になった。

 帰宅が遅いなと感じていると、扉が開いた。オーロラとクレミアが戻ってきたんだ。



「ただいまです!」

「お邪魔します」



 二人とも無事でよかった。

 さて、肝心の材料は……お? クレミアがなにか持っているな。



「それは?」

「これは女神聖書です。我が家の魔導書の中に紛れていました」


「マジか!」


「差し上げます」

「ありがとう、クレミア!」



 これで残るは[血の聖痕]だけ!

 てか、聖痕ってなんだよ……? どこで手に入るんだ、そんな代物。アイテムショップでは絶対に売ってなさそうだしなぁ。



「なあ、オーロラ。血の聖痕って?」

「さあ……わたくしにもなんのことやら」



 聖女であるオーロラですら知らんのかよ。なら、俺とかクレミアが知るわけがない。てか、村人ですら知らんだろう。


 どうすりゃいい。

 あとひとつなのに。



「ん~~~~~…」



 腕を組み思案してみるが、思いつかん。サッパリだ。


 こんな時は誰を頼ればいい?


 普通は、聖職者(プリースト)だろうが、目の前に聖女がいるのに知らんときた。とすると、他のヤツも怪しいが――とりあえず、頼ってみるか。



 俺はいったん、タルの家へ向かった。

 ラフィネにも挨拶をしたかったしな。



 タルの家へ到着。

 扉をノックするとラフィネが現れ――抱きついてきた。



「エルド様!」

「ど、どうしたのさ……ラフィネ」

「私に会いに来てくれたのかと」


「あー…いや、ちょっと聞きたいことがあって」

「そうでしたか」



 残念そうにするラフィネ。けれど、こうして話せるのは俺も嬉しい。



「この村に聖職者(プリースト)はいないか?」

「それならオーロラ様でよいのでは」

「いや、血の聖痕について知りたいんだが、オーロラは知らないんだ」


「血の聖痕ですか。それなら知ってます」

「そうか、やっぱり知らな――え? 知ってるの?」


「はい」



 ラフィネは確かに(うなず)いた。

 まさか知っている人がいるとは……!

 こんな身近にいるとは思わなかったぞ。



「血の聖痕とはなんだ?」

「それは……」

「それは?」



 自身の服に手を伸ばすラフィネは、突然脱ぎだして上半身裸になっていた。下着こそつけているが、これは刺激が強すぎるって……!



「…………」

「……ラ、ラフィネ!? なぜ脱いで……!」


「よく見てください。私の胸の辺りを」


「……! 十字の傷。聖痕か! これはいったい……」

「解かりません。でも、子供の頃からあった傷痕なんです」



 驚いた。ラフィネにこんな聖痕があったとは。


「しかし、これをどうやって貰えばいいんだ?」

「さあ……」


「さあって……。解かった、一度オーロラに見てもらおう」



 一旦、家へ戻った。

 ラフィネのことをオーロラに話すと驚いていた。



「聖痕がラフィネのさんの胸に!?」

「そうなんだ、オーロラ。なんとかならないかな」


「見てみますね。……あ、エルドさんはあっち向いててくださいね! ラフィネさんの肌を見たら浮気と見なして怒ります!」



 と、オーロラはぷち怒っていた。迫力はないものの、怒られるのは嫌なので俺は別の方向を向くことに



「……どう、ですか?」

「なるほど、これは確かに聖痕ですね。ラフィネさん、あなたいったい……」

「子供の頃からあったものなので詳しくは……」


「そもそも、あのご高齢のタル村長の娘ってちょっとおかしいですよね」

「……そんなことは」



 そういえばそうだな。

 タルさんはお父さんというよりは、お爺ちゃんだ。

 だから、もしかしたら義父だとか思ったんだがな。というか、そうとしか思えん。



「まあいいです。それより聖痕に触れてみますね」

「……はい」



 オーロラは、ラフィネさんの聖痕に触れたようだ。

 すると赤く光り始めていた。


 な、なに!?



「おい、オーロラ。大丈夫なのか?」

「エルドさんはこっち向かないでくださいまし!」


「お、おう」



 くそう、気になるじゃないか。なにが起きている。


 しばらくして光は消えた。


 こちらに顔を見せるオーロラは「聖痕の取り出し完了です」と見事なドヤ顔を見せた。


「取り出せるのかよ!?」

「試してみただけです。出来ちゃいました」



 そういうものなの……!?


 ま、まあいいか……これで[血の聖痕]は入手できたし、ラフィネさんの気になっていた聖痕もキレイさっぱり消えていた。



 さて、いよいよ“女神降臨”だ!

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