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追放されしNTR勇者は辺境の地でスローライフを ~聖女と共に最強の村を作ります~  作者: 桜井正宗


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第16話 NTR勇者は辺境の地でスローライフを

【辺境の地・ゼルファード】



 毎晩のようにティアナ姫やスクイズを寝取られた“悪夢”を見る。


 ……クソ、トラウマが強すぎるんだ。

 この傷を癒す方法はないものか。


 唯一は、オーロラが(そば)にいてくれることだ。彼女がいなければ、俺はとっくに(がけ)から身を投げだしていたかもしれない。



 変わらず、村長の家でお世話になりラフィネから優しくしてもらえていた。彼女の笑顔にも救われるな。


 美味すぎる朝食をいただき――外へ。



「今日は、村周辺の調査へ行かれるのですよね?」

「そうだ、オーロラ。俺と一緒に回ってくれ」

「喜んで!」



 シュヴァルク王国が――今度はティアナ姫が攻めてくるはずだ。このゼルファードに何かしらの危害を加えるはずだ。

 多分、あのゾンビがそうなのだろうが。

 そして、ハルネイドを取り戻しに来ることは間違いない。



 その前に調査を進め、対策をする。



 先手を打たねばやられる一方だ。

 魔王軍のように蹂躙(じゅうりん)され、凄惨(せいさん)な状況に陥るかもしれない。そうなっては、あまりに遅すぎる。


 だから、まずはアイテムショップへ向かった。


 ゼルファードの村の中心。噴水広場の周辺にお店へ。


 建物の中へ入ると、そこには優しそうなおっちゃんがいた。俺に気づくと笑顔で出迎えてくれた。



「勇者エルド様、いらっしゃい!」

「おっちゃん、周辺のマップと体力回復ポーションはないか?」


「もちろんあるよ。他には?」


「う~ん……そうだな。焔玉(ほむらだま)があるといいな」

「ラッキーだね、勇者様。ちょうどラストの在庫がある!」


「本当かい」

「ああ、待ってな!」



 なかなかのハイテンションでおっちゃんは、お店の中をひっくり返す勢いで棚を開けていく。



 周辺マップ:1000ブル

 体力回復ポーション×10:10000ブル

 焔玉×1:3000ブル



 体力回復ポーションは、1個1000ブルもするのか。さすがに辺境の地だけあって、あまり仕入れられないのかもしれない。

 物価が多少高いのは仕方ないか。


 俺はブル硬貨で支払いを完了。商品を受け取った。



「買い物完了ですね!」

「ああ。これからマップを頼りに周辺を探索する」



 周辺を知るにはマップが手っ取り早い。


 アイテムショップを去り、村の外へ。開門してもらい、ついに出た。



 そこは直ぐに『森』である。

 不気味で薄暗い。



 さっそくマップを確認すると、そこには点滅する光がいくつか。



「ん、こりゃ……」

「エルド様。その赤い光ってなんです?」

「モンスターの位置だな」


「モンスターの?」



 驚くオーロラは、マップを興味深く覗いていた。……ちょ、顔が近いな。こうして間近で見るとスベスベの肌すぎてビックリした。良い匂いもした。



「あ、ああ……。このマップは高性能版だな」

「そうなんです?」


「おっちゃん、これ間違えて安値で販売しちゃったな」

「あら」



 これはよく見たら『モンスター捕捉機能つきマップ』だった。通常のマップとは違い、半径数百メートルにいるモンスターの位置を教えてくれる特典つき。


 こりゃ助かるな!


 でも、おっちゃんに悪いので後でお金を払っておくか。


 マップを見ると、ゾンビオークがあっちこっちにいるようだった。まだ結構いるんだな。

 割と狩ったはずだったが、まだまだ倒さなきゃならない。



 それと気になる点滅もあった。



「これは」

「またまたどうしました?」


「この悪魔のマーク」

「そういえば、なぜか一点だけ恐ろしいマークがありますね」



 これは『ボスモンスター』を示す悪魔のマーク。つまり、この森にはボスが棲息しているのだ。


 倒さねば村が危険だ!



「よし、討伐するぞ」

「二人で!?」

「二人で」



 正直不安はある。

 今までは勇者パーティとして世界を巡ってきた。でも、仲間たちはもういない。彼らは魔王との最後の戦いで戦死したのだから。


 俺はただ一人の生き残り。


 そして、不運なことに好きな人を毎度奪われ寝取られる。


 なんの因果だよ。



 これじゃあ『NTR勇者』じゃないか――。




 ああ…………そうか。




 思えば、散々な目に遭ってこの辺境の地にスローライフしに来たんじゃないか。



 つまり『NTR勇者は辺境の地でスローライフを』ってとこか!



 笑えねえ!!

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