8話 総集回
8話。
ここでアニメーターさんたちに休憩をあげましょう。
お風呂に入った俺たちは宿で
これまでの旅を振り返ることにした。
アニメでよくやるあれだ。
時間がなかったわけではない。
ただ新しく物語を進めるのに疲れたのだ。
そんなわけで西日が差しこむ窓際で
この街のワイン・メンドクセ=レクションを飲みながら
過去話に花を咲かせよう。
咲く花はバラか牡丹かラフレシアか…
「それにしてもびっくりしたよ、いきなりおむつのジジイだからよー」
「きゃははーそれ何回も聞いたわよー」
俺たちは酔っていた。
つまみはアフォの皮の燻製とチーズ。
そりゃ酔うにきまっている。
湯上りに、おいしいワインにおいしいおつまみ。
控えめに言って最高だ。
「でよーーー、なんかよー!
俺の腹部にザリガニがいてよーー」
「ザリガニー!なんでなんで!?」
「俺の好感度が上がる思ってー!?」
「ざりがにーーー!」
『ぎゃはははーーー』
バン!
「ちょっとお客さん、酔いすぎですよ!」
勢いよく扉を開けて入ってきたのは看板娘の
ライリアさん15歳
「ああ、若いっていいなあ…命がキラキラしてる」
俺はライリアのほとばしる若さに感動の涙を流しながら
ワインをあおる。
「ちょっと…なんで泣くんですか、あとワインもう飲まないでください!」
「あー笑ったら催してきたー…」
どろんとした目をしたルナが
ワイングラスにまたがり立ったままポーなションを出す。
「ちょっ、妖精だからってそんなところで!
お客さん止めてくださいよ!」
「止める?何を止めるというのだ?これはフェアリーサークルと言って
妖精たちが踊った跡を残す、いわば超自然的な痕跡というやつでだな!」
「もう何なんですか!飛び散ってる、飛び散ってるから!」
「あたひは妖精女王!ヒヨヒヨもモイモイもひざまつきなひゃい!
でもギイギイ、てめえだけは靴をなめろーー」
「いいよルナもっと自由なお前が見たい!ここが!心が!叫んで!
あの日おれを蹴ったあいつの名前を僕たちはまだ忘れられないでいる!!」
「もーーーー出てって~!!!」
こうして俺たちは宿から追い出され
公衆浴場に隣接された木賃宿にその身を寄せるのだった。
総集編できなかった、ごめんね。
アニメのピンポン見ると観ちゃって作業どころじゃなくなるのよ。