19話 おっさんと見つめあうちゃぶ台の円卓
軟骨と塩ラーメンを食べました。
眠いです。
「初めまして、俺がザ・ファーストのシュウイチ=ノギサカだ」
「‥‥」
目の前にはサラサラ髪のイケメン青年がいる。
どうしよう、こいつ自分のことザ・ファーストとか言っているぞ
これはあれか、突っ込むところか?
よし、突っ込もう。
「ファーストとか言ってんじゃねえよ改造勇者1号!」
「い、一号…ははは」
ひきつった顔で乾いた笑いを浮かべる修ちゃん。
こいつマジで言ってたんか、友達になれないな。
そう思っていると横から
眼鏡でショートカットの少女が割って入ってきた
「ええやん1号で!キャメンライダーみたいでカッコええって」
どうやらフォローに入ってきてくれたようだ。
「ウチは戸部頭空音、よろしゅーな!」
「俺はセイゴだ、よろしくなエセ関西人!」
という、関西人なら「あほ!偽物ちゃうわ!」
という突っ込みを返してくれるであろうボケを添えた自己紹介をしたら
「‥‥」
黙る少女。
あれ?これ異世界デビューでキャラづくりした感じか。
「‥‥」
空音はそそくさと俺から離れていった。
「俺なんかやっちゃいました?」
ファーストの修ちゃんに聞いてみると
「…君は協調性というものがないようだね」
さっきとは打って変わって冷ややかな視線を向けてきた。
やはり友達になれないな。
しかし地球の神様は、あれか。
問題のある魂をゴミ在庫として押し付けてきただけなんじゃないか。
そうして俺たちはぎすぎすした空気を残しつつ
奥の部屋へ移る。
ここは大聖教会の中央会議室
公民館なんてケチなサイズじゃない。
会議するだけの部屋が市民体育館くらいあるぞ。
俺たちはそこまでマッサンに案内され、
そして次々と問題のある勇者たちの紹介を受けた。
面倒なので
以下に箇条書きする
勇者1号 乃木坂修一 高校生 アルティメットスキル/エックスカリバーン
勇者2号 シェーン・ケイシー 抹茶好きの大学生 アルティメットスキル/もっと解剖パラダイス
勇者3号 屋敷 博 死亡
勇者4号 屋敷 昇 死亡
勇者5号 屋敷 建 死亡
勇者6号 松本由紀 成城学園の人妻 アルティメットスキル/完全なる飼育
勇者7号 土方歳三 偉人と同名のデブ ウルトラスキル/ブタの嗅覚
勇者8号 ムハド・アーヴィル 死亡
勇者9号 絶影 自称忍者ニート アルティメットスキル/忍術風魔術
勇者10号 戸部頭空音 エセ大阪人中学生 ウルトラスキル/JCフィールド
勇者11号 イ・ソユン 行方不明
勇者12号 真黒井未沙 舌ピゴスロリ女 ウルトラスキル/黒ミサ
そして13号が俺。
「忍者の絶影は単独で行動するとのことで、ここにはいない。」
ファーストが円卓に座っった皆に話す。
ちなみにあいつはお誕生席だ。
「なあ、いいか?」
俺は行儀よく挙手をして質問する
「なんだい、戒能君」
「勇者が四人も死んでるとか、一人行方不明だとかは、まあいいよ」
そんなことはどうでもいいんだ、俺は一息置き
「お前らの横にいる美人のお姉さんとかイケメンは何なんだ?妖精はどうした?」
そういうと残りの勇者たちが不思議そうに顔を見まわしてから
「だからここにいるのが妖精たちじゃないか」
とのたまう。
うそだろ、人間サイズだし羽根もないじゃん
そういうとファーストの横の緑髪のお姉さんが
「人化の魔法よぉ」とエロ声で答えてくれた。
「おいルナ!」
俺はオナホサイズのセミ妖精をにらむ
「だって、あれ難しいんだもの私にはまだ早いわ!」
「難しいって言っても、おまえ、ほかの奴みんなできてるじゃないか!」
「ほかの子たちが優秀なのよ!」
なんて情けない逆切れだ…もういい
しかしそうなるとあれか、ほかの妖精はピンク肉体言語で解らせてるってわけか?
いやー、さすがにないだろうが…聞いてみるか
「緑のお姉さんは、あれなの?ファースト君と、したの?」
緑のお姉さんはウフフゥンと笑い
「勇者たちとどう仲良くなるかは、妖精王様に任されているわ」
といった。
俺の中で何かが切れた。
「何がザ・ファーストだ、このドスケベ1号!」
「うっ、うるさいな!1号って言うな!」
「やーいお前んち、スッケベやーしきー!」
「うるさいうるさい!」
あー、もうやってらんねえ。
俺もう帰りてえ。
「ルナよー、お前もっと頑張れよ、熱くなれよ
そんでおっきくなってエロい事して俺を骨抜きにしてくれよ
骨をヌキヌキしてくれよー」
「いいじゃない、いまのままで!私たちには男女間の友情があるんだから」
この落ちこぼれ、頑張る気はないらしい。
あー、ほんとやってられんわ。
「俺帰るね」
おれはおもむろに席を立ち、お宿に帰ろうとする。
この際、アビスでもいいから土下座してお願いしようかな。
あいつ三白眼で怖いんだけれど、美人だからな。
美人っていうより男前なんだよな。
まあラーメンで釣ればいけるんじゃないかな。
そんなことを考えていたのでドスケベ1号たちの
「おい、待て!」とか
「大事な会議だ」とか
「おしっこしたい」とか言ってたのをスルーした。
しかし出口でマッサンが立ちはだかり、
「どうか席にお戻りください」
という筋肉の脅しをかけてきたのでしぶしぶ席に戻る。
「ほんで?」
俺を呼び出した理由はなんだ、今後お前たちどうするつもりだ?
俺に何をしてほしいんだ!?
を略し、一言で皆に聞いた。
コスパタイパって大事よね。
ドスケベ1号は…もう一号でいいか。
一号は「こほん」とわざとらしく咳払いし話始める
いちいち動きがテンプレすぎんな
こいつアニメの見みすぎじゃね。
「…前回の大規模な魔人襲撃により4人の勇者が亡くなり、一人が行方不明だ」
と言い、続ける。
「こうして絶影以外の勇者がようやく集まったので
今後の役割を改めて検討したいんだ」
話を聞くに、どうも勇者&人間勢は劣勢らしい。
なんでも予想以上に魔人が強いんだとか。
魔人の強さを語る一号にマッサンが補足を加えてゆく。
そして
「魔人の魔法は確かに強力だが想像を絶する、というほではないでしょう。
やはり勇者方の結束とより綿密な作戦は必要でしょうな。」
とマッサンが締める
一号をはじめとする勇者たちが、確かに、とかなるほどとか言っているが
こいつら
「お前らスタンドプレーな上に馬鹿すぎて使えんわ」
と言われている事に気付いているんだろうか。
マッサンのほうをじっと見ると
マッサンも俺をじっと見返してきた。
俺とおっさんが見つめあい、会議は後半へ続く。
にゃーんにゃにゃにゃにゃああああああああああああああ!
にぎゃあああああああ!!!
猫のふり見て君が袖振るにゃああーーーー…しんど。




