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僕のなりすましが何人いるんだよ!?

作者: 七瀬








どうやら? 僕のなりすましがたくさんいるらしい。

それが何故分かったかと言えば? よく僕は知らない人にこう

言われるようになったからだ。




『昨日はありがとうね。』

『えぇ!?』

『あんなに買ってくれて、おばさん嬉しかったよ。』

『・・・な、なんの話をしてるんですか?』

『えぇ!? 昨日来てくれたじゃない、コウちゃん!』

『ぼ、僕がですか!?』

『何よ、そんな他人行儀で! 昨日までのコウちゃんと今日は違うわねぇ~

まあまあ、おばさん急いでるからまた来てよ。』

『・・・で、でも、』

『じゃあね、またね!』

『・・・何処に行けって言うんだよ、』





初めて会った通りすがりのおばさんが僕に話しかけてきてこう言った。

僕の全く知らない人だが、おばさんは僕に馴れ馴れしく話してきた。

全く思い当たる節もない!

お酒に酔って僕が話しかけた人なのかとも思ったが、、、。

昨日は僕は仕事で物凄く疲れていて直ぐに寝たんだ。

お酒は一滴も飲んでいない。

でも? 僕とあのおばさんは昨日会っている。

一体誰が僕のなりすましをしているのか?







 *






今日は水商売をしているであろう女性にいきなりビンタされる。




【バチン】


『えぇ!?』

『コウちゃんの嘘つき! 昨日お店に来てくれるって私に言ったよね?』

『・・・な、何の話ですか?』

『誤魔化さないでよ! この嘘つき!』

『・・・ぼ、僕は何も噓なんかついて、』

【バチン】

『痛ッ、』

『まだ嘘つくの? コウちゃんってそんな人だったんだ!』

『だから僕はそんな約束してないんですよ!』

【バチン】

『だから痛いって!』

『もう、コウちゃんの事なんか知らないんだから!』

『・・・・・・』






女性ひとは物凄い怒ってお店に戻って行った。

僕はあのお店に入った事は一度もない!

当然! あの女性ひとに会った事も一度もない!

それなのに、あの女性は僕を知っていた。

一体僕のなりすましはどこで何をしてるんだよ。








 *







・・・だがたまにこんな事もある!




『その節は、本当にありがとうございました。』

『えぇ!?』

『自殺しようとしていた息子を助けてくれて、今では元気に頑張って生きようと

仕事も始めたんですよ。』

『・・・はあ、』

『全ては幸一さんのおかげです。“これほんの気持ちです。”』

『・・・いやいや? こんなモノ受け取れませんよ!』

『あの子の為にも受け取ってあげてください。』

『・・・あぁ、はい、じゃあ、ありがとうございます。』

『また良ければ、あの子に会いに来てやってくれませんか?』

『・・・あぁ、はい。』

『じゃあまた。』

『・・・また、』







話を聞けば? 僕は自殺しようとしていたあのおばさんの息子さんを

助けたらしい。

良い事をする、なりすましもいるんだな。

紙封筒の中には3万円入っていた。

お金だと思ったから返そうと思ったが、僕のなりすましが助けたなら

受け取らないのは失礼だと思い受け取った。

それに今はその息子さんも仕事をはじめて頑張っているなら気持ちと

して受け取るべきとも思った。











・・・気になっているのは? 僕のなりすましがどれだけいるのか?

気がかりなのは、僕のなりすましが“犯罪を犯してやしないのか?”

ただただそれだけが心配で夜もろくに僕は眠れない。



最後までお読みいただきありがとうございます。

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