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[マオ視点]

さあ、今からはまた俺の一人称視点に戻るぜ。そこのサディスティック変態勇者も一人称が“俺”だから見にくいよな? ごめんな。だけど、悪いのは全部そいつだから。そいつが全部悪いから。俺は全く悪くないから。

俺は、サド勇者の空っぽ頭を叩いた。

「おい! 早く起きろよ! お前が起きないとどうやってお前を倒したか解説ができないだろ?」

と、俺が言った。全く、この小説のストーリーの展開を考えてくれよ。このサドが起きないと、話が進まないんだが。


「ううっ。ここは?」

と、サド勇者。ぼーっとした頭で辺りをキョロキョロと見ている。横にいるグレイとヴィヴィアンが縛られていることにも気がついたらしい。

「おい! グレイ! ヴィヴィアン! 起きろ!」

と、サド勇者が仲間を起こす。

「ここは一体?」

と、ヴィヴィアン。

「何が起きたんだ?」

と、グレイ。


どいつもこいつも呆けたようなアホヅラだ。この表情が馬鹿さ加減に拍車をかけている。こいつらは世紀末のバカだ。バカでさらにサドだ。

「ここは、サキュバスの村。お前たちブサイク勇者パーティー一行は俺たちイケメン魔物パーティーに勝負を挑み、反対にボコボコにされたんだよ? 覚えていないのか?」

と、俺が言った。全くブサイク馬鹿を相手に会話をするのは疲れる。

「そうだ! お前たちどんな卑怯な手を使って勝ったんだ? 作者に金でも握らせたのか?」

と、ブス勇者が訳のわからないことを言い出した。作者? は? 何をおかしなことを言っているんだ?

「よしよし。今からお前達馬鹿にもわかるようにわかりやすく解説してやろう。俺たちがこの村に来た時点からヴィヴィアンが俺たちのことを監視していたんだろ?」

と、俺が言った。この全部お見通しですよ感がかっこいいって? よせやい。まだ始まったばかりだ。

「何? まさかその時すでに気がついていたのか?」

と、馬鹿が驚く。


「ああ。もちろんだ。まず、お前達は大きな勘違いをしている」

と、天才の俺様がかっこよく言い放った。

「なんだ? どんな勘違いだっていうんだ? 教えてくれよ!」

と、サド勇者が言った。なんだこいつの喋り方。

「お前達は、この村を襲ってその時たまたま俺たちが通りかかってサキュバスの村を助けたと思っているんだろ?」

と、俺が言った。くー! 早くネタバレしたいぜ!

「な、何っ! じゃあ、まさか!」

と、サド勇者が馬鹿面で言った。お手本のような小物感のある喋り方だな。

「そうだ。俺たちがこの村に来るのは今回で七回目。俺たち魔物がお前達の罠に誘い込まれたんじゃない。俺たちがお前達勇者を、待ち構えていたんだよ」

と、俺が言い放った。

そして、事前に聞き込みとプロファイリングでお前達パーティーの作戦と陣営は確認していた」

と、俺がかっこよく言い放った。ここまでは基本だな。

「じゃあ、私の目の前で二手に分かれたのはわざと?」

と、ヴィヴィアンが言った。

「いや、二手に分かれてなんていない。『二手に分かれよう』と叫んで二手に別かれずにまっすぐテリーの元へ走った」

と、俺が言った。

「は? どういうこと? 私は確かにみたわ、あなた達が二手に別かれたのを!」

と、ヴィヴィアン。

「いいや。俺たちは二手になんて別れていない。お前は至近距離からサキュバスの幻惑魔法を食らっていたんだ。お前の背後には四人のサキュバス達がいたんだよ! お前が遠方から監視、グレイとリリアンが西からサキュバス達を追い込んで包囲する予定だったんだろ? 作戦は全て筒抜けだ」

と、俺が言った。

「何? どうしてだ? 作戦と陣形は戦闘ごとに変えている!」

と、テリー。

「それは後で説明する。あの後、ヴィヴィアンは無線でお前に指示を出したよな?」

と、俺が言った。

「そうだ! 何で嘘をついた? 答えろ! ヴィヴィアン!」

と、テリー。

「嘘なんてついていないわよ! うちは正しい情報をあなたに伝えたわ!」

と、ヴィヴィアン。

「まあまあ落ち着け。ヴィヴィアンは見えたままの情報をお前に流したんだ。ただし、幻惑魔法で望遠レンズは細工されていたがな」

と、俺が言った。

「ならヴィヴィアンは違う映像を見せられていたのか?」

と、テリー。

「そうだ。事前に録画しておいた映像をヴィヴィアンはリアルタイムだと思って見ていたんだ。そして、その情報をお前に伝えたんだよ。もちろん魔法で多少は映像をいじくったがな。そして、ヴィヴィアンはまるでお前がピンチに陥ったかのように感じた」

と、俺が言った。


「そして、私はテリー達を助けるために持ち場を離れた。その後、待ち伏せされていたサキュバスに捕まったわ」

と、ヴィヴィアンが言った。

「そうだ。ヴィヴィアン=トレバー、お前は遠方からの監視役。たいして肉弾戦等は強くない。一人だけなら簡単に倒せる。それに、ダメだろ? 監視役が持ち場を離れちゃ」

と、俺が言った。

「カーラが男のふりをしていたのはなんでだ?」

と、テリー。


「はいはーい。私が説明します! あの時、テリーはヴィヴィアンの誤情報によって混乱していた。そこで、最後に揺さぶりをかけたのよ。私は、マオの口調であなたに話しかけたの。『テリー=オーラ。お前、まだ騙されているのに気がついていないのか?』ってね。まるで、あなたが幻惑魔法にかかっているんじゃないかって思わせたかったのよ」

と、カーラ。

「ただの男のふりだったのか」

と、テリー。

「そして、無線機越しのヴィヴィアンはあなたに、『目の前にいるのはマオだ』と何度も言った。だけど、目の前にいるのは間違いなく私。あなたは考えたはずよ、『ひょっとしたら幻覚にかかったのは俺なんじゃないのか』ってね」

と、カーラ。








[その日の夜 マオ視点]

サキュバスの村はお祭り騒ぎだった。崩れかかった街に、もう一度命の炎が灯ったようだ。村は色とりどりのネオンで着飾っている。青に赤に紫に桃色。全部の色がエロく感じてしまうのは俺だけだろうか? いや俺だけじゃないはずだ。

「マオー! 一緒に飲みましょう!」

と、エロくないカーラが駆け寄ってきた。

読者のみんなはもうお忘れかな? サキュバスとは、男性に取り付いてエロい夢を見せたりする魔物なのだ。つまりそういうことだ。ここから、この小説はエロパートに突入する。準備はいいかな? どうせみんなサキュバスという魔物が出てきた瞬間にエロいことしか考えていなかったんだろ? そうだろ? え? 御託はいいからさっさとエロシーンを見せろって? しょうがないな。じゃあ行くぜ!


「待て待て。俺が音頭とるから!」

と、俺がカーラに言った。俺が今日の主役だ。俺のおかげでこの村は救われたんだ。この村はちなみにサキュバスの村だ。きっとサキュバス達がお礼をしてくれるはずだ。つまりそういうことだ。

俺は、酒樽の上に立って村に乾杯の号令をかけた。

「サキュバスの野郎どもー! 今日という日をもってこの村は——」

と、俺が言いかけたときだった。

「「「かんぱーい!」」」

と、村のサキュバス達は俺のことを無視して勝手にあちこちで飲み出した。

みんな手に手にグラスを持っている。そのグラスになみなみと注がれているのは、もちろん泡がしゅわしゅわするジュースだ。飲むと、魔法の不思議な力でいい気分になるものだ。読者のみんなが想像する大人の飲み物とは違う。断じて違うのだ。だから未成年が飲んでも、法律にも条約にもひっからない。全くもって無害、健全なのだ。だから、ちくったりしないでください。俺たちはジュースを飲んでいるだけです。

「おい。なんだよ。俺は無視かよ」

と、俺が言った。少し寂しい。

「あんたは全くどこまで行ってもお助けなんだから」

と、カーラ。こいつフォローする気があるのか?

「だいたいお前なんで全然エロくないんだよ? サキュバスの仕事はエロじゃないのか? 職務放棄か? このニート!」

と、俺が言った。

「むー。何よ! お助けのくせに! 私にだってエロいところがあるんだからね!」

と、カーラ。

「なら証明してみせろ! お前が一人前のサキュバスだってことをこの俺に証明してみせろ! 俺にエロいことをしてみせろ! エロいことをしてくれ! 頼む!」

と、俺が言った。

「しょうがないわね。じゃあ目を閉じて」

と、カーラ。俺の横に座ってこっちをじっと見てくる。え? いいの? まじ? ほんと? 嘘でしょ?

俺は光の速さで目を閉じた。じっとカーラのことを待つ。一秒が五千六百四十秒くらいに感じる。心臓がばくばくする。早くエロいことがしたくてたまらない。カーラなんておっぱいが全然大きくないし、エッチじゃないし、あんまり意識していなかった。だけど、いざエロいことができそうになると、もう全部どうでもよくなった。俺はカーラのことが好きだ。大好きだ。カーラこそ俺の運命の相手だ。そんな気がしてきた。

早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早くもう待ちきれない。

その時だった。

「きゃーマオ様よ!」

と、どこからかエロい大人の声が聞こえた。

「本当だ! いやーんマオ様ー!」

と、ものすごくエッチな声も聞こえる。

俺は目を開けるとエッチな巨乳なエロいサキュバスに取り囲まれていた。カーラは巨乳に押しのけられて隅っこに追いやられていた。もうカーラなんてどうでもいい。大人のサキュバス達の方がいい。おっぱいがおっきいい、おっぱいがいっぱいだ。おっぱいの方がいい。

みんな知っているか? いざエロいことができそうになると、もう全部どうでもよくなるんだぜ?

「きゃーマオ様ってよく見るとすごくかっこいいのね! 抱いて!」

と、巨乳のサキュバスが言ってきた。

「いいよ」

と、俺が言った。このサキュバスが俺の運命の人だ。

「あーん。マオ様ってすっごく逞しいのね。マオ様のことを好きになってもいい?」

と、別のサキュバスが言った。さっきのサキュバスよりも巨乳だ。

「いいよ」

と、俺が言った。きっとこのサキュバスこそが俺の運命の人だ。今度こそ間違いない。

「マオ様! 今すぐ私と楽しいことしな〜い?」

と、別のサキュバスが言った。先ほどのサキュバス達とは比べ物にならないモノを胸にぶら下げている。

「いいよ」

と、俺が言った。絶対に確信しているこのサキュバスこそが運命の相手だ。絶対にそうだ。早くエロいことがしたい。

「「「じゃあ全員で一気にお相手してもらおうかしら? それでもいい?」」」

と、顔を真っ赤にしたサキュバス達。

「いいよ」

と、俺が言った。さっきから『いいよ』しか言ってないけどいいよね?

「ちょっと待ったー!」

と、どこからともなくエロくない声が聞こえる。

巨乳の密林をかき分けカーラがやってきた。

「おいおい。お前は俺の運命の相手なんかじゃないんだ。見てみろ、大人サキュバス達の乳を! ゼットカップくらいあるぜ? どうだ?」

と、俺が言った。

「そんなにあるわけないでしょ。っていうかいいの? あんたこのままエロいことしたらこの小説発禁になるわよ?」

と、カーラ。

「いいよ」

と、俺が言った。

「え? いいの? よくないでしょ? 何言っているの? 世界を勇者の魔の手から救うんじゃないの? しっかりしなさい。それともこの小説が打ち切りになってもいいの?」

と、カーラ。

「いいよ」

と、俺が言った。

「よくないわよーばかー!」

と、怒り狂ったカーラがおっぱい達を追い払った。


俺は泣いた。人生で初めて人前で泣いた。大声をあげて泣き叫んだ。喉が裂けて血が出てきた。目から血の涙が出てきた。これ以上悲しいことがあるだろうか? いやない。絶対にない。これほどの不幸なんてこの世界にはない。

「ちょっとそんなに泣くことないでしょ? そんなに巨乳が好きなわけ?」

と、カーラ。

「そんなに巨乳が好きです」

と、俺が言った。

「あんなのただでかくて邪魔なだけじゃない! 無駄に脂肪分が溜まっているだけよ。運動もせずにゴロゴロしている証拠よ!」

と、カーラ。

俺はうるさい貧乳を無視して一人でジュースを飲む。このジュースは、本当に美味い。柔らかさと水々しさの塊だ。これは言うなれば生きた快感だ。お子様にはわからない大人の味だ。

「それにね! 巨乳って通行の邪魔じゃない? 狭い道を通るときに、巨乳とすれ違うと引っかかってむかつくのよ!」

と、カーラ。

俺は、うるさいのを無視してジュースで喉を潤す。力強いクリーミーな泡が弾けて踊る。狂おしいほどの快感が、液体となって俺の体を巡る。

「あ! そうだ! ちょっと聞いてよ! この前なんてね! 私が行った温泉でとんでもない巨乳を見つけたのよ! それでね——」

と、カーラ。

俺は、カーラを無視してグラスに熱い口づけを交わした。黄金色の液体は、さながら生きた宝石。宝石が溶けて俺を満たしていく。身体中が熱くなり、血潮が激流となって俺の中を走り回る。

「そのおっぱいとちょっと触らせてもらったのよ。そしたらね——」

と、カーラ。

「それで?」

と、俺が言った。

「急にどうしたの? さっきまでずっとジュースに口をつけていたのに?」

と、カーラ。

「ジュースなんてどうだっていいんだよ! それでおっぱいがどうなったんだ? 早く答えろっ!」

と、俺が叫んだ。本当は大人の味なんてわからない。ただ苦いだけだ。なんで大人はこんな不味いジュースを飲むんだろう。俺はおっぱいの方が好きだ。俺は途端にジュースがどうでもよくなった。

「そ、それで、おっぱいを揉むと、ものすごい弾力で押し返してきたの! 柔らかさと水々しさの塊だったわ。これは言うなれば生きた快感だ。そう思ったわ」

と、カーラ。なんで俺のジュースに対する感想と一言一句同じなんだ? まあそんなことはどうでもいい。

「それで? 早く続きを聞かせろ! さもないとサキュバスの村を壊滅させるぞ!」

と、俺が言った。

「はあ? あんたが救ったばっかりでしょ? なんで壊滅させるのよ? まあいいわ。それで、私は気になったのよ。もしこのおっぱいに顔をうずめたら一体どうなっちゃうんだろうって。それでね……」

と、カーラと俺のおっぱい談義は朝まで続いた。


[八時間後]

「——で、その時私は思ったわけ、世界平和ってなんなのって。どこにでもあるようでどこにもない。きっと平和なんてこの世にないのよ」

と、どこか物憂げで諦めたような表情のカーラ。

「いや、平和ならきっとあるさ。俺が作ってみせる。いや、お前もきてくれ。俺たちならできるさ! そうだろ?」

と、俺が言った。

「そうよ! 私達ならできるわ! 絶対にできる! 世界平和は目の前よ! そうでしょ?」

と、カーラ。

「そうだ! 俺たちは諦めない! この身が朽ち果てても、手足がちぎれ飛ぼうとも、俺たちは絶対に諦めない。そうだろ?」

と、俺が言った。

「ええ。そうよ! 例え確率が一パーセントしかなくっても私達は諦めない! なぜなら私達はそう信じているから! そうでしょ?」

と、カーラが言った。

「カーラ!」

と、俺が彼女の名前を呼んだ。

「マオ!」

と、カーラが俺に呼応するように返事をした。

「「俺たちは何があっても絶対に諦めたりなんかしない!」」

そして、俺とカーラの不屈の精神によって世界は平和になったのであった。

[完]


こうしてこの小説は終わりを告げた。長かった物語もようやく終わったのだ。誰もがみたがるハッピーエンドに辿り着いたのだった。っていうのは冗談でもう少しだけ続きます。


[翌朝]

俺は、洗面台で盛大に吐いていた。ひとしきり毒を吐き終わるとカーラとリサの元へと行った。

「おはよう」

と、俺が言った。

「うるさい。耳元で叫ばないでよ」

と、カーラが言った。耳元で言っていないし、叫んでもいない。きっとこいつも二日酔いなんだろう。

「お兄ちゃんとお姉ちゃんどうしたの? 元気ないよ? まるで生きた屍のようよ」

と、リサが言った。

「ありがとう」

と、俺が力なく言った。

「なんで喜んでいるのよ。それより昨日言っていたけど、あんた本当に私に土地買ってくれるの?」

と、カーラが力なく言った。

「は? 土地? なんの話だ?」

と、俺が言った。まずいな。酔っていて、何も覚えていない。なんのことだ?

「忘れたとは言わせないわよ! あんたが私に言ったんでしょ? 世界を征服した暁には領土を半分やろうって」

と、カーラ。

「は? 俺そんなこと言ったっけ? それよりなんで魔王みたいなセリフ言っているんだよ! いや、俺魔王だからいいのか」

と、俺が言った。

「えー? もしかしてお兄ちゃん、リサに宇宙戦艦買ってくれるんじゃなかったの?」

「おい。本当に俺がそんなこと言ったのか? だいたい宇宙戦艦って買えるの?」

と、俺が言った。

「えーじゃああんた、私に『ブランド物の服を買ってやるよ』って言ったのは? それに『今後カーラの荷物は全部持ってやるよ』って言っていたのは?」

と、カーラ。

「それにそれに『リサに今後全ての経験値とアイテムをあげる』っていう契約と、『今後リサの言うことをなんでも聞く』っていう契約はどうなったの?」

と、リサ。

「おい! 適当なこと言っているだろ? 本当に俺がそんな約束したのか?」

と、俺が言った。

「ええ。それに今度一緒にカブトムシを取る約束もしたわ」

と、カーラ。

「小学生の夏休みかよ」

と、俺が言った。

「えーリサもお兄ちゃんとアメンボ取りに行くのに」

「おい。本当にそんな約束したのか?」

と、俺が言った。

「「したわよ!」」

と、女の子二人が言った。

「はーしょうがないな。約束は果たすよ。その代わり一個だけな。一緒にカブトムシを取ろう」

と、俺が言った。

「いやいいです」

と、カーラ。

「結構です」

と、リサ。なんで急に礼儀正しくなるんだよ。ちょっと悲しくなった。

「お前たちが行きたいって言ったんじゃなかったのかよ」

と、俺が言った。

「いいえ。行きたくないわ」

と、手のひらを返すカーラ。

「ナンセンスよ」

と、リサ。なんで急に大人びた?

そして、俺たちはたくさん飲んで、騒いで王城へ向かった。




[玉座]

「よくぞ戻った我が息子よ」

城に戻ると玉座の間にみんなが待っていた。父上、母上、メイド達。みんなが俺のことを祝福してくれる。

「は! ただいま帰りました」

「此度の働きよりただいまをもって其方を九代目の魔王とする。よくやったな」

「ありがたき幸せでございます。このマオ=ウリア=イーヴィル=サターン、全力を尽くし我が王国の領土を統治することを固く誓います」

「うむ。がんばるがよい。そして、カーラ=ルーラ=サキュバスよ。其方の此度の活躍実に見事であった」

「勿体無いお言葉です」

「そこで、其方を王国直属の剣士長に任命する。もちろん其方が良ければじゃが……」

「ありがたき申し出ですが。お断りさせていただきます」

ざわつく玉座。本来ならありえない。王国直属の剣士長の座を蹴るなんて。

「おい……なんで断るんだよ?」

俺は小声で横のカーラに尋ねた。

「いいから黙ってなさい。お助け」

カーラは同じように小声で返した。

「私は剣士長ではなく魔王直属の護衛隊長をやらせていただきたいです」

そういうとカーラは俺の方を見て少し笑った。

「ふむ……そうか、其方がそれでよいのなら構わない」

そういうと父上は玉座から降りてこちらへ歩み寄ってきた。

「さあ、あとはマオよ。お主の仕事じゃ。あの玉座は今よりお前のものだ」

俺はこくりと頷くと玉座へどっしりと腰をかけた。玉座は俺の体に対して少し大きいが座り心地は悪くない。これから俺にのしかかってくるプレッシャーと重圧は俺の想像をはるかに超えるものだろう。だが俺は魔王だ。決して屈することなどないのだ。どんな困難が待ち受けていても絶対に諦めない。どれだけ劣勢でも力に差があっても負けが決まったわけでないのだ。勇気と知恵を振り絞り、工夫をして修行をすればどんな困難も乗り越えられる。そう! 俺は魔王なのだから。



ここで打ち切りになります。読んでいただいた方申し訳ございません。ごめんなさい。ごめんなさい。本当にごめんなさい。でもありがとうございます。


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