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スターダスト  作者: みずひ
1/9

1.

夜、私は空を見る。

夜空が好きだから月が好きだから星が好きだから、どれでもなく、ただ、夜になると空を見る。


天文同好会に入ったのは、高校に入って最初の秋だった。

部員は三名いるうち一名が部長、残り二名が幽霊部員、顧問は一名だった。募集もなければ宣伝もなく、その四名以外にその存在さえ知られていないような、小さな同好会だった。

いや、同好会とも呼べないのかもしれない。

部長である小野寺が研究に打ち込みたいが為に形式的に作ったもので、同好会発足の条件を満たすため友人に名前を借り、先生にサインをもらっただけのものなのだから。


提出しそびれた実験プリントを手に放課後の物理室を訪れると、先生はその存在を教えてくれた。というのも、机いっぱいに奇妙なものを並べ黙々と作業をする男子生徒を、私が眉を寄せて見つめてしまったからだ。


「あれは天文同好会でね。プラネタリウムを作っているんです。」


その聞き慣れない単語に私が訊き返すと、発足は去年でその認知度は低く、活動も部長が一人作業を続けているだけのものだということを説明してくれた。


「私も入っていいですか。」


聞き終えてすぐにそう訊くと、戸惑いながらも先生は「いいよ。」と言った。

それから私は毎日本を抱えてそこへ通い続けている。

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