表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ステータス表示から始める異生活  作者: Ryo
番外 勇者編
51/56

勇者➇

決勝まで行きます。

17/12/12 勇者編を番外編として移動するために、この話は一度消されました。

元掲載日 : 17/12/10 16:19

 ネストは足を踏み込み、力いっぱいで剣を振る。

 剣から放たれるそれは、剣闘場の土を巻き上げ、一瞬にして相手の視界を奪う。

 そしてネストは、一気に距離を縮め、フォンを叩きつける。


「なーんちゃって」


 しかし、叩き下ろしたと思ったものはフォンの肉体などではなく、フォンが生み出した風魔法の分身だった。


「今度はこっちの番だよ!!」


 ネストの左肩に剣が振り降ろされる。

 それを剣で弾く。

 だが、それはフェイント、本命は。


「こっちだよ!」


 横腹に何かがめり込む。

 それは固く握られた拳。

 吸った空気を吐き出すネスト。


「どお? おじさんのパンチ重いっしょ~! これでも鍛えてるんだよね~」


 何て余裕のある喋りだろうか。

 幸い、ネストはスキル【全耐性】のおかげで痛みはそこまでない。

【瞬間再生】もあるおかげでダメージは瞬時に回復する。


「ずいぶん余裕たっぷりですね……」


「まあね! 君初心者だし、読みやすいんだよね~!」


 ネストとフォンの差、それはスキルの数でもステータスでもない、経験だった。

 確かにネストは、優れたスキルとステータスを持っている。

 しかし、ネストは自らのスキルを使いこなせるわけではない。

 ましてや、ネストのステータスは急に渡された扱いきれない強大な力だ。

 対し、フォンは鍛錬に鍛錬を積んだことにより、やっと得た力だ。

 一朝一夕で覆せるものではない。


「まだだ!!」


「いいよ。 かかってきな」


 焦るネスト、どうにかして一撃を。

 しかし、その考えはネストの動きをさらに単調にさせる。

 一撃一撃重くはあるが、フォンによってそれは簡単にいなされる。

 ネストは態勢をを崩し、フォンはその隙を突く。

 こうして地面に倒されるのは何回目だろうか。


「うーん、なんか思ってたのと違うなぁ。 もっと頭を使わないとさ~」


 あくびをしなあらフォンが言う。

 地面に転がるネストは、その頭で考える。

 さっきまで上っていた血はもう、引いた。

 冷静に状況を判断する、フォンを倒す方法。

 そしてネストは、無意識に【思考神】を使うことになる。


「あれ~、ずっと寝っ転がって何してんの?」


 ふいに近づくフォンの足首を掴む。

 気づいた時にはもう遅い。

 ネストはその状態で、フォンの顎を蹴り上げる。

 鈍い音が剣闘場に響く、と同時に退屈そうにしていた観客たちの歓声が沸く。

 思わず体をひるませるフォン。


「くぅ~! これは効いたね!」


 蹴られた顎をなぞる。

 二人はしっかりと剣を握る。

 今度のネストは、さっきまでとは一味違う。

 その目はしっかりとフォンをとらえている。

 そして、ネストは踏み込み、もう一度砂を巻き上げる。


「だから無駄だよ!!」


 フォンは風魔法を使い、砂埃を払う。

 視界が戻ると、そこには何もなかった。

 文字通り、ネストもおらず。

 次の瞬間、フォンはある感覚に襲われる。

 鈍痛。


「ク八ッ……!」


 何が起きたのか分からない、思わず呼吸が止まる。

 ネストは砂を巻き上げ、その間に飛んだ。

 フォンは砂埃を払い、ネストがいないことに意識がいった。

 そしてこの瞬間をネストは突いたのだ。

 脳天を剣の側面で叩き下ろされたフォンは、その場で膝をつく。


「こ……これは、効くねぇ」


 不意を突かれた一撃、ノーガードで受けたそれはフォンに多大なダメージを与える。

 ネストは追い打ちをかけるように【覇気】で相手を威圧する。


「降参しますか?」


 へへ、まさか。 と震えた声で答えるフォン。

 流石に耐性がないのか身体が震えている。

 立ち上がることもできず、その場から動けない。

 止めに相手を気絶させ、ネストの勝利に終わった。

 試合が終わり席に戻る。


「おめでとう」


 迎えてくれたのはジェスだった。


「ありがとう、でも勝てたのは僕の力じゃないよ……」


「それって……?」


「君が次の対戦相手か、手を抜いていたとはいえ、親父を倒すなんて。 油断はしないからな」


 急に現れた短髪の男、ミリアムはそれだけ言い残し控室のほうへ向かった。


「ネスト、あいつの動き油断するなよ。 勝ってこい!」


『決勝! ミリアムとネスト、前へ!!』


「行ってくるよ」


 そして、ネストも剣闘場に向かう。

 既にミリアムはそこに立っていた。


「俺は最初から本気でいくぞ」


『始め!!』


 毎回、相手の動きを見てから動いていたミリアムだったが、今回はそれを待たずして動いてきた。


「はあぁああ!!」


 彼は目にも留まらぬ速さで攻撃を仕掛ける。

 このままでは不味いだろう。

 もし、ネストがさっきのままだったなら。


「な、なに!?」


 ネストは、すべての攻撃を避け、又、剣で弾く。

 なぜこんなに動けるのか。

 元々、ネストはジェスの居合を簡単に見抜け、【思考神】も使っていた。

 先ほどの戦いでも、ミリアムを指導していたフォンの動きを少なからず見てきた。

 頭に血が上り冷静じゃなかった前とは違う。

 その為、ミリアムの動きは手に取るようにわかるのだ。


「先ほどとは、違う様だな」


 ミリアムも異変を感じ、すぐさま適応する。

 戦い方を変える、慎重に相手の動きを読み取り、行動する。

 しかし、これは逆効果。

 ずっと見てきた動きはこれだ、それにネストの思考能力は飛躍的に上がっている。

 ミリアムはネストに誘導され倒されるだろう。


「クソ! なぜだ?!」


 早速術中にはまるミリアム、ネストは相手の攻撃を弾く、次に攻撃しやすいところを見せ、そこにうまく誘導する。

 そして。


「! しまった……!」


 ミリアムの背後には壁が、ネストは覇気で威圧し相手を行動不能にする。

 こうして、決勝が終わった。

結構あっけなく終わりました。

何か裏に隠された思いでもあるのかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ