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ステータス表示から始める異生活  作者: Ryo
番外 勇者編
45/56

勇者②

勇者ネストの話②です。

17/12/12 勇者編を番外編として移動するために、この話は一度消されました。

元掲載日 : 17/11/19 07:21

 村人たちが慌てふためく中、二人は着々と王国に向かっていた。

 占い師の力は見た目に反して力があり、ネストは逆らえずされるがままになっていた。

 村が見えなくなってくると占い師は立ち止まり、魔法を使った。

 この魔法は風を利用して空を飛ぶものだ、ネストはこんな魔法は見たこともなく、当然慌てる。


「う、うわあぁああああ! お、おちっ!」

「騒ぐな、動いてなければ落ちたりなんかはしない」


 占い師がそういうと、ネストは静かになった。

 本当は怖くて仕方がないのだろうが、落ちるのが嫌なのか、見っとも無い姿を見せたくなかったのか、ネストは我慢をし続けた。

 一時間ほど空を飛んでると大きな影が見え始めた。

 それが王城だとわかるのには、そう時間はいらなかった。


「王国……」

「あそこでお前を徹底的に調べる」

「何もあるわけないじゃないですか……」

「そんな能力を持っていてよく言うな」

「……僕だって知らなかったんだ」

「どうだかな」


 そんな言い合いをしていると、いよいよ城が間近になってきた。

 ネストは唇を噛みしめ覚悟する。


「唇切るぞ」


 台無しだ。


 占い師は徐々に速度を落とし、地上に降り立った。


「お疲れ様です。 ネフィス様」


 若い女性がそういいながら占い師に近寄る。

 占い師、ネフィスは両の手を横に出すと女性が、羽織っていたローブを取った。


「ああ、これから国王の所に行く。 その男を清潔にさせろ」

「かしこまりました」


 このやり取りを見るとネフィスは身分の高い、それもいきなり国王に会いに行けるほど。

 ネストは無理やり連れてこられたと言え、なんて場違いなところにいるのだろうと、顔を沈めていた。


「お名前をうかがっても?」

「あ、ネストです」

「それではネスト様、一度お身体を流してから、着ているお召し物をお脱ぎ、こちらに着替えてください」

「は?」

「脱がせましょうか?」

「自分でやります!」


 手渡された服は、いつも自分が来ているようなボロい服などではなく、生地もしっかりしていて触り心地もいい服だった。

 案内された洗い場も、水などではなく暖められた水が張られている池のようなところだった。


「これは……?」

「温泉というものです。 地熱により暖められた水が地上に湧き出しています」


 温泉の入り方を教えてもらったネストは、早速入ってみた。

 いつもの水浴びの様に、まずは水をかけ汚れを落とす。 この時水の代わりに温泉を使ってみた。


 バシャ


「あ、暖かい……」


 水は想像していたより熱くもなく、それでいてぬるすぎもしない丁度いい温度だった。

 汚れを落とした後は、いよいよ温泉に浸かる。

 ゆっくり、足の指の先から浸かっていく、最初は熱いがだんだんと体は慣れていく、完全に温泉に浸かった体はとても心地よく、全身の疲れが抜けていくようだった。

 思わず 「はぁ……」 と息を漏らしてしまうほどに。


 温泉に浸かり終わってからは渡された布で体を拭き、服に着替える。

 服もすごいが、布も良く、いい手触りで体に付着した水をよく吸ってくれた。

 温泉を出てからも体は暖かく、落ち着いた気分でいられた。

 着替えを済ませ、女性を呼ぶ。


「とてもよくお似合いです」


 あまりよく見ていなかったが、とてもきれいな人だった。

 銀髪のセミロングに整った顔、目鼻がくっきりしていて笑うととても印象に残る。

 そんな、姿に少し見とれてしまっていた。

「どうかなされましたか」 と声をかけられハッとする。

 準備ができたことを伝えるとネストは、ある間に連れられた。

 ここで少し待っていてくれと伝えられ、数分が立ったころ扉は開いた。

 その先にいたのは現国王だった。


「ふむ、お主が奇妙な能力の持ち主か」


 そういい始めたとき、彼女が現れた。


「大変お待たせいたしました!」


 占い師のネフィスに、もう一人の少女。


「うむ? おお、アストリアよくきたのぅ」


 その姿はまるで、孫と叔父だった。


「国王、すみません。 少し準備に時間がかかってまい」

「いや、気にせんよ。 おなごはそういう生き物じゃ。 それでは早速だが、話を始めぬか?」

「そうですね。 まずはそれぞれの確認と行きましょう。 わたくしは王宮魔術師のネフィスです。 そして、彼女が国王の孫アストリア様。 最後にご存じでしょうが現国王テリシア様です」


 ネストは貴族に対する挨拶を知らなかった為、ただただ頭を深く下げることしかできなかった。

 国王のテリシアは。


「そう、頭を下げんとも良い。 面を上げよ」

「はい」


 結構優しい人なのかもしれないと思ったネストは、表情がさっきよりかは柔らかくなった気がする。

 ある程度のあいさつをかわした後、ネフィアが今日の本題の話をし始めた。


「今回は彼、ミスト村のネストが妙な能力を持っていたことについてです。 こちらがその能力が映った紙切れです」


 そういいネフィアは村で現像したネストの能力値表をそれぞれ、テリシアとアストリアに見せた。

 二人はそれを見ると、表情がどんどん固まっていき今では、深刻な顔に早変わりしていた。


「ネストよ、お主はどこでこれらのスキルを手に入れたんじゃ」


 テリシアは質問する、がしかし、ネストは「わかりません」としか言えなかった。

 なぜなら、本当に思いの節がなかったからである。


「しかし、この能力でなんの思い当たりがないというのはのう……。 何かある出来事などはなかったのか」


 ネストは記憶の中を探った、すると一つだけ見つけた。


「昔、両親が魔物に殺されたことがあります」

「魔物にか……。 つらいだろうが少し話してくないか?」


 ネストは昔あった惨状を思い返す。 

 両親の血の臭い、傷だらけの自分、魔物に犯される母親の姿。

 話している間ネストの拳は、血が出る程固く固く握りしめられていた。

 一通りの話が終わると。


「そうか、そんなことが。 結局その魔物はどうなったんじゃ」

「村の男たちで油断しているところを倒しました。」


 そうか、とテリシアは頷く。


「それでは、そのこと以外は何もなく復讐なんかを考えることもなく過ごしていったのだな」

「復讐は確かに考えたこともありましたが、僕なんかじゃ何もできないと思い、早々に諦めました」

「ふむ。 アストリアどうじゃ」


 すると、ずっと無言だったアストリアが口を開いた。


「はい、おじいさま。 彼は、嘘をついてはいないです」


 え? と困惑するネストをおいて彼らは話を続ける。


「そうか、わかった。 ネストよ今までの話で嘘偽りはないのだな」

「は、はい」

「それでは、お主のその能力を買って、この国の騎士団に入団させようと思う」

「僕なんかが騎士団にですか?」

「不満か?」

「滅相もございません!」


 こうしてネストは王国騎士団にほぼほぼ入ることが決まった。

まだまだネストの話は続きます。

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