死闘
よしよしよし!!!
自分の中では大興奮ですよ!
一時間で書き終わった!!
李糸は今、自分の力を出し切る思いで、何百もの魔物と対峙する。
既に何体の魔物を倒したかは分からない、辺りには李糸が殺したであろう魔物の死体で、山ができている。
『ギェ! ギギァ!!』
『グギャ!!』
新たに魔物は殺され、死体は山の一片へと姿を変えた。
李糸の目は、目の前の出来事を静かに見据えて、その手を鮮血により赤く染め上げる。
しかし、一見最強の様にも見える李糸だが、その身体には少しずつではあるが、傷を負っていた。
傷は様々で、浅いかすり傷ぼ様なモノから、深く、血を今も流しているような傷まで、実に様々なものがあった。
それでも李糸の手は止まらない。 常人ならば痛みと、その恐怖心から動けなくなるはずだ。 しかし、李糸は違う。
痛覚遮断で無理やり痛みを消し去り、精神強化により恐怖心を無くす。
その姿はもはや人間ではない。 悪魔だ。
*****
「クソっ! 李糸さんを置いてきてよかったのか……。 あんなに魔物がいて……、それを一人で何て……、無茶だ!!」
グランツは、李糸を一人で置いてきてしまって良かったのか。 そんなことをずっと考えていた。
「いや……。 違う……。 李糸さんは、僕を信用してティエラちゃんを任せたんだ……。 ならば! 僕は絶対にそれを裏切ってはいけない!!」
グランツは自らに喝をいれ、ティエラを救うと、そう誓う。
しかし、そんなグランツの道を遮るものが現れる。
「ゴブリン?! こんなところにまで……!!」
グランツはその場で【光矢】を使用する。
暗闇は一瞬閃光し、もう一度暗闇がそこを覆った。
その瞬間、魔物の断末魔と閃光と共に、真っ赤な血が吹きあがる。
「邪魔だァー!!!」
その先も魔物は続く、しかしそれを切り伏せていくグランツ。 彼の目に迷いなんてものは存在しない。
李糸と同じように、彼の背後には魔物の死体が列をなって転がる。
何十体か殺したころ、目の前には開けた空間があった。
「ここは……」
異様に静かなそこは、グランツに恐怖心を煽らせる。
そんな静かさも、一瞬で途絶えることになる。
それはグランツの声で途絶える。
「そ、んな……。 う、うあぁああああ!!!!」
彼の目の前には、体を赤に染め上げた李糸だった。
「り、李糸さん……? ねぇ、生きているんでしょう……? ……返事してくださいよッ!!」
しかし、李糸は声を発さない。 代わりに別の声がその場を満たす。
「く、クフ……。 クハハハッ!!! もう駄目だ! ヒィ……。 我慢できないよ……!」
その声は笑いにより痙攣していた、何に笑っているのか、それはグランツの、天使のみじめな姿からなのか。
魔族は多くの魔物を引き連れ、その場に現れた。
「お前ら馬鹿だよなァ……! 女の声一つで、死んじまうんだからよォ!」
「……ん……ない」
「ハァ? 聞こえねーんだけど?」
「死んでないって言ってんだよッ!!」
グランツは強く地面を蹴り、魔族との距離を縮める。 が、しかし。
「ハぁ? くだらねぇ!」
向かってくるグランツを殴り返す、殴られたその体は大きく飛び、地面に擦られながら制止する。
「……あれ。 終わり……? 待てよ、弱すぎんだろー!!」
魔族はその結果に落胆しながら、動かないグランツのもとへと向かっていた。
「とりあえず息の根を止めとくかァ。 もっと強い奴だったら楽しかったのになァ」
「いるさ、ここにな」
「へ? ブホォ!!」
魔族が振り向く瞬間、大きな衝撃と共にその体は宙に舞った。
わずかに回転しながら空中浮遊をしたのち、体は地面とぶつかる。
「ウッ……。 てめぇ、死んだんじゃなかったのか」
「そこの俺の部下が言っただろ。 死んでいないってな。 その言葉を裏切れっていうのか? できるわけねぇ!!」
「大人しく寝とけばいいのによォ! 後悔すんじゃねーぞ!!」
「殴られてるくせによく言うぜ。 強い奴と戦いてぇんだろ、俺が相手になってやる」
きっと周りから見た李糸は、冷静にその場で立っているように見えるのだろう。 しかし、実際は違う。
彼は、腹の奥からこみ上げる怒りを、無理やり閉じ込めているだけなのだ。 そしてそれは爆発寸前であることを、魔族は知らない。
「オメェなんて、俺の一発で十分なんだよォ!!」
魔族は李糸の顔面を、連打で殴る。 殴られるたび、その顔は左右に揺れる。
「効かねぇよ……」
「はぁ?」
殴り続けていた腕はその言葉と共に止まる。 いや、止められたという表現のほうが正しいか。
李糸は腕をガッチリと握り、静かに怒りと最大の殺気を宿した瞳で魔族を見つめる。
「シェリーのパンチのほうがよっぽど痛いぜ……。 今度はこっちの番だ」
「お、おい……! やめっ」
しかし、その言葉は途中で終わることとなる。
相手の腕を掴み放たれた拳は、逃げることのできない顔面をしっかりと捉え、破壊していく。
ごりゅり という音と共に顔の穴という穴から血が噴き出し、目はつぶれ、歯は折れ、肉は分断する。
魔族の死体が地面に転がるころには、周りで群がっていた魔物たちは逃げていた。
「グランツ! グランツ大丈夫か!!」
李糸はすぐさまグランツのもとへと駆け寄り、肩を抱え、体を起こす。
息はあるようだ。
李糸はゆっくり息を吐き、安堵する。
少しするとグランツは目を覚まし、李糸が目の前にいることに驚いた。
「り、李糸さん!! あ、あれ。 僕は」
「大丈夫だ。 無事で、本当によかった……。 さあ、任務はまだ終わってない! ティエラちゃんを探すぞ!」
そして李糸は立ち上がり、グランツに手を差し伸べるのであった。
どうだったですか?
僕の中では結構楽しく書けました!




