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魔界と五人の天使たち

今回はあまり李糸たちが出ません。

 李糸と数人の天使たちは、魔界を目指して足を進めていた。

 魔界で実戦経験を積むとともに、スキルの取得を目指す、それが今回の訓練内容だ。


「みんな、そろそろ魔界だから気を引き締めろよ」


 天使たちは、ごくりと喉を鳴らす。

 同胞を殺した魔族たちが住まう魔界に向かう。

 大体の者は恐怖で緊張をしている。

 万が一のことを考え、以前李糸が訓練に使った場所に向かう。


「今から魔界に入る。 みんな準備はいいか?」


『ハイ!』


 やはり、まだ緊張をしているようだ。

 緊張をほぐすためか、李糸は自分が魔界に入ったときのことを話した。


「実は俺も隊長に命令されて魔界に入ったことがあるんだ。 その時は俺一人で、隠密系のスキルを覚えて来いって放り出されてな! 割とヤバイ! ってこともあったんだけど、何とかなったりしてさ! ……一つ言えることは

 、絶対に死なせないってことと絶対に油断するなってことだ。 それじゃ、後は頑張れよ!」


 それだけ言い残し、忽然と姿を消す李糸。

 突然消えた李糸に驚く天使たちは。


『あ、あれ。 り、李糸さん?!』


 という風にパニックを起こしていた。

 五人まとめてパニックになって、李糸の名前を呼んでいる。

 あまりにも進まないので、しびれを切らした李糸が。


「しっかりしろ! そのままじゃ一生帰れないぞ!!」


 声を聞いた天使たちは少し安心したのか、多少は静かになった。

 そして、今の自分たちの状況を理解したのか、五人は集まり話し合いをした。


 1『ど、どうすればいい?』


 2『まずは索敵か?』


 3『そうだな……。 固まって慎重にやろう!』


 4、5もその案に賛成したのか頷く。

 そして、五人は固まりながら進む。

 李糸とシェリーはその後を付きながら【シャドウサイレンス】という、自身と自分の周りの音を消す闇魔法でシェリーと会話をする。


「どうですかね……」


「そうだな。 それぞれ自信をもっていいくらいの実力はもうついている、あのやり方は少し効率的ではないな」


「ですよね。 あれじゃあ、成長の伸びは下がる気がするしな……」


 何故効率が悪いのかというと、まず今回の訓練内容をおさらいするとこから始めよう。

 今回の訓練内容は、それぞれが一つスキルを手に入れる。

 というものだ。

 今のやり方だと、魔物を撃退した際の経験というのが歪な形で分配されてしまうのだ。

 あるものは早く成長し、あるものは全く。

 本人たちはそれに気が付かないから訓練は進ま無くなる。

 それに対して少人数による索敵、撃退を行えば限りなく等しく、戦闘の経験ができ、スキルを得やすい。

 今回五人でチームを組んだのは、以上の事を身をもって経験してほしかったというのもある。

 恐らく、後半に行くにつれ、このことに気が付くものが現れるだろう。


「そういえば、俺が訓練をしているとき隊長は何やってたんですか?」


「見ては帰っての繰り返しだったな」


「へぇ~。 って、帰ってるときに俺が死んでたらどうしたんですか?!」


「その時はその時だ」


 何て薄情な上司だろうか。


「臭くなるぞ」


 それは嫌だと切に思う李糸だが、すでに何回も臭くなっているのだ。

 くだらない話をしていると、ついに魔物と遭遇する。


 4『不味い! 魔物だ!!』


 2『お、おい!』


 一人の天使が声を上げるものだから、魔物が天使の存在に気づいてしまう。

 幸い、遭遇した魔物はハナバクというバクに似た魔物だった。


「馬鹿だなぁ、もう~。 ハナバクだったからよかったものを……」


 はあ~、とため息をつきながら、天使たちを見守る李糸。


 2『バレたもんは仕方ない! みんな、囲むぞ!』


 天使たちは一斉にハナバクを囲む。

 急に囲まれたハナバクはというと。


「ギュッ?! ギュッギュッ!!」


 混乱状態だった。

 そして混乱している敵は何をするかわからない。

 ハナバクはスキルの【物体浮遊】を使い、周りにある石を持ち上げ、天使たちに向けて投擲をする。


 5『う、うわあっ!! みんな離れろ!』


 天使たちは、そんな攻撃に驚き攻撃をせずに後ろに引いてしまう。

 そしてハナバクは天使の一人に体当たりをする。

 初めて見る魔物に恐怖していた一人は、その攻撃を受けてしまう。


 4『ゔっ!!』


 そして、恐怖していたがゆえに、まともな防御ができず、もろに攻撃を受けてしまった。

 弱いとはいえ魔物、天使は後ろ吹き飛ばされてしまう。


 1『だ、大丈夫か!!』


 3『お、おい! 援護に入れ!』


 2『早く倒さないと!!』


 5『逃げるべきだ!』


 慌てた様子で命令を出す、統率がとれていなくそれぞれが違った行動をしている。

 先ほどの魔物と同じく、彼らは混乱していた。

 なら、混乱していなければどうだろう。


 4『う、ぅう……』


 攻撃された天使がひじをつき上体を上げる。

 その様子に気が付いた一人が。


 1『あ! だ、大丈夫か?!』


 しかし、そんな心配はいらず。


 4『い、いた……くない? あれ?』


 当然である、彼らはこの数週間李糸の訓練についてきたのだ。

 何もしていない天使だったら危なかっただろう。

 しかし、彼らは既に普通の天使とは比べ物にならないステータスを手に入れている。

 攻撃された天使の無事に気が付いた他の天使たちは。


 2『もしかして、個の魔物ってすごく弱いのか……? う、うわぁ!』


 間抜けな顔で考え事をしている天使に攻撃をするハナバク。

 しかし。


 2『あれ、全然痛くない……。 みんな! こいつめっちゃ弱いぞ!!』


 そう伝えると、混乱していた天使たちは。


 5『え? そんな馬鹿な……』


 逃げようとしていた天使がハナバクを攻撃をする。

 すると。


「プギェッ!!」


 ハナバクは倒れて動かなくなってしまった。


 5『わ、わーい?』


 こうして、この天使たちは無事訓練を終えるのであった。

うん......。 まあ、ハナバクですしね.......。

因みにこの後も安全に魔物を倒し、二日目にしてスキル習得を終えましたとさ。

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