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ある一日

前半は少し遊んでみました。

 鏡の前に立ち、身だしなみを確認する。


「良し! さてと……」


 扉を開き部屋を出ると、隣にある部屋の扉をノックする。

 少しすると中から小さな足音がして。


「あれ? お兄ちゃんどーしたの?」


「久々に途中まで一緒に行かないか?」


 それを聞くと。


「うん! いいよ! じゃあ、支度済ませちゃうね」


 その返答を聞きリビングに降りる、母親に頼みコーヒーを作ってもらう。


「全く、これくらい自分でやりなさいよー? 将来困るのは自分なんだからね?」


「何回も聞いたよ母さん」


 あら、そうだったかしら? なんて言葉をこぼす母。

 コーヒーを受け取り、一息つきながら口にする。

 半分ほど飲んでから、階段のほうから先ほど聞いた足音がする。

 それを聞き、残りのコーヒーを喉に通す。


「お待たせ、お兄ちゃん」


「いや待ってないよ。 それじゃあ、行こうか」


「二人とももう行くの? これ、弁当ね」


 二人は弁当を受け取り、ありがとうと言い家を出る。

 周りに人が見えなくなると。


「なんか、今までの事が嘘みたいだ」


「そうだね……。 でも、お兄ちゃんの身体が証明してるよ」


「ああ……。 シャツがピチピチだった……」


「あれキモイよ」


 うぐっ! と胸を抑える李糸。


「所でどのくらいステータス上がったの?」


 李糸は少し考えると。


「多分、麻里の10倍以上かな……」


「うわ! キモ!」


 ついつい心の声を出してしまう。

 泣き崩れる男子学生。

 朝の通学路で、まず見ることはないだろう。

 麻里は慌てながら。


「あはは、冗談じょーだん! 気にしないでお兄ちゃん!」


「うん……」


 そこからは、魂が抜けたように登校した。

 途中で麻里と別れ、学校に入る李糸。

 教室に入り友達と挨拶を交わす。

 以前、現代文の教師が魔物で、シェリーがその魔物を殺してしまったことがあった。


「なあ、現文の教師って誰だっけ」


「? なんだ急に、確か畠山だろ」


「ああ、そうだったけ」


 どうやら、新村 佐木という人物はいないことになったようだ。

 この日学校では特に何もなく、家に帰ってからこのことを麻里に聞いてみることにした。


「そっか、教えていなかったもんね。 この世界における魔族や天使っていうのは、本来いてはいけない者なの。 だから、死んだ時点で存在ってものも一緒に消えるんだ。 でも、これじゃおかしいことになるでしょ。 だから、記憶の補完、存在の補完として新しい何かが生まれるの」


「それって、どういうことだ? まず、その補完のための”何か”って何者なんだ?」


 麻里は少し困った顔で。


「それが、私たちにもよくわかってないんだよね。 魔族や天使に変わり、いつの間にかいるんだよ」


「それって、いろいろな法則を無視しているよな……」


「まあ、天使とか魔族いるし、そこらへんはね?」


 という事だった。


「じゃあ、そろそろ行くか」


 李糸が言う。


「そうだね、戻らないと」


 そして二人は非現実の世界に戻る。


 *****


「戻ったのか」


 出迎えてくれたのはシェリーだった。


「お待たせしました! 結構経ってますかね?」


「それなりはな、だがあまり問題はない」


 何の話かというと、この異世界と元の世界、実は時間軸が全く異なっているのだ。

 異世界のほうが元の世界より、時間の進みが速くなっている。


「さあ、訓練生たちが外で待ってるぞ」


「え! もうそんな時間か!」


 慌てて外に出ると、そこにはたくさんの天使たちが集まっていた。


『李糸さん、遅いですよ!!』


『早く始めましょう!』


 泣きわめいて訓練をしていたのが嘘のような代わりぶりだ。

 李糸は、すまんすまん! と言いながら訓練を始める。

 その様子を横から眺めるシェリー。

 最近はこのルーチンだ。 (遅刻はしてないが)


「なんか、変化がほしいなぁ」


『どうしたんですか、李糸さん』


 突然独り言を発した李糸に反応する天使。

 そして、何か思いついたのか。


「あ、そうだ!」


 急に声を上げるもんだから、天使たちが一斉に李糸のほうを見る。

 そして天使たちに新しい訓練内容を伝える。


「新しい訓練を発表します! それは……、魔界に入り、サバイバルしてください!」


『はぁあああ!!!???』


 いい反応だ。


「一人でとは言いません! 五人一人組で交替制です!」


『と、言いますと?』


「まず、一日目に数組が魔界の森に入ります。 そして、そこであることをこなしてもらい! 天界に帰ってきてください!」


 この内容はほとんど、李糸が初めて魔界に行った時と同じだ。

 あの時はスキルを覚えるため、今回は何にしようかと悩む李糸。

 そんな中、周りの天使は明らかに困惑をしていた。

 確かに強くはなったが、同胞を殺した魔族たちが住む魔界に行くのだから無理はない。


「良し、決めた! それぞれみんなにはスキルを一つ、何でもいいから覚えてきてほしい!」


 こうして、天使たちは魔界に駆り出されることになった。


「おい、李糸。 あんな訓練させて平気なのか?」


「大丈夫ですよ。 いざとなったら、俺と隊長で助けるんで!」


「そうか……、ん? ”俺と隊長”?」


「? そうですよ」


「まて! なんで私が行くんだ!」


「だって、隊長もいかないと不公平でしょ? それに一応訓練官の一人ですし」


 こうして李糸とシェリー同伴のもと、魔界での訓練が始まるのであった。

どうだったですか?

次回は二度目の魔界ですね。

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