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地獄の訓練 天使編

訓練回。

 結局、あの日から魔族が攻めてくることはなかった。

 メビロのもとで匿われていた天使たちも、無事神殿のもとへ帰還させることができ、家屋も修繕し天界は盤石へと向かっていき、当初、パニック状態に陥ってしまったり心を閉ざしてしまう天使なんかも多く発生したが、周りの手によりだんだんと安定していった。

 そんな中、魔族からの襲撃があったという事により、天界で緊急会議が開かれた。

 会議メンバーの中には李糸も含まれており、ほぼ強制的に参加することになった。

 そして今日がその会議の日。

 場所は大天使、ミッシェルの部屋で行われる。

 扉を開けるとそこには何人か集まっており、中にはシェリー、ミーレイや麻里と、見慣れた顔がいくつかあった。

 李糸が席に座ると。


「よし、皆そろったな」


 どうやら、李糸が最後の一人だったようだ。


「それでは、会議を始めようと思う。 最初に話したいことは、今回の戦いの被害者数だ。 これが相当ひどくてな、元の人口より1/4程が犠牲になった」


 ため息がこぼれるものが多く、その場の空気が重たくなるのを李糸は感じ取った。


「また同じようなことが起きたら、今度はどうなるかわからない。 そこで、一般の天使たちにも戦闘訓練をこなしてもらう、それをどうするか今回の会議で決めたい」


 確かに天使たちが日ごろから戦闘の訓練を行っていれば、被害者は少なく済んだのかもしれない。


「訓練官はどうなさるおつもりですか?」

「我々も極力やりたいが、人手が足らぬからな……」

「ローテーションでやるのはどうだろか?」

「それでは教え方にムラができるのではないか?」

「そもそも訓練なんて実施できるのか?」


 様々な意見交換で、考えがまとまっていくようでまとまらない。

 そんな中、シェリーが挙手をし立ち上がる。


「我々密偵部隊に、訓練官を任せてはいただけないでしょうか」

「密偵部隊が?」

「しかし、密偵部隊ならば……」

「うむ……」


 皆がミッシェルのほうを向く。

 彼女は静かに。


「分かった。 それではこの任務を密偵部隊に任せたいと思う。 意見のある者はいるか」


 誰も言うことはなく、可決される。


「それでは任せたぞ。 それからあとは……」


 その後も会議は続き、日が下りてから李糸は解放された。

 その直後、李糸はシェリーに呼び出された。


「先ほど密偵部隊が訓練官に任命されたが、訓練官はお前がやれ」

「ええ?! なんで俺が?」

「これもいい経験になるだろう。 何かあったときは手を貸すさ」


 そして李糸は訓練官として働くことになった。

 早速、天使全員が訓練をするという事は天界全域に伝えられ、その二日後から開始されることになった。

 訓練の日。

 李糸の目の前には、大勢の天使が集まっていた。


「これほどとは……」


 場はガヤガヤと騒がしく、李糸は早速。


「静かにぃー!!!」


 大声で天使たちの意識をこちらに向かせる。

 効果は大で、一気に静かになり、みんなは李糸のほうを向いていた。


「えー、こんにちは! 俺は李糸と言います。 今回、皆さんに訓練をすることになりました。 訓練官として頑張りますんで、皆さんも訓練生として頑張ってください!」


 特に返事はなく。


「それから受け答えはしっかりしましょう! ハイとか、そこんところはしっかりお願いします!」


 所々、ハイと聞こえるが小さいので。


「声が小さい!! いいですか、厳しくいくので、これからはちゃんとしてください!」


『ハイ!』


 やっと少しはまともに聞こえたな。 というような感じで訓練はスタートした。


「それでは、まず準備体操から。 今から見せるから、覚えてください」


 李糸は皆の前で、ラジオ体操を見せた。

 一連の動きが終わり。


「それじゃあ一緒にやります!」


 やってみると天使たちの覚えは早く、大体の者はできていた。

 ほう、なんて関心をする李糸、訓練は進み。


「これからは毎回これをはじめにやります。 皆さん早めに覚えてください。 それでは、訓練を開始しましょう」


 まずは腕立てから。 と李糸は言う。

 何回やるんだろう、なんて周りは言い合っている。


「それでは初めに、腕立て100回やります」

『はあぁぁあ?!』


 周りは驚愕の表情をし、声に出す。


「俺もこれをやったときはそう思いました! やってれば何とかなります!」


 もうごり押しである。

 無理やり決行する李糸。

 腕立て30回に入ったところだろうか、だんだんと脱落者が出てきた。


「おらぁ!! 手ぇ、動かせ!」


 因みに、李糸は500回の腕立てをやっている。

 近くで見ていたシェリーにお願いして、脱落者に回復魔法をかけさせる李糸。

 こうして全員腕立て100回を終わらせた。

 周りは既にぐったりしていて、次の訓練なんてできないような状況だが。


「それじゃあ、次はスクワット100回! 10分休憩してから始めます」


 周りは阿鼻叫喚である。

 逃げ出そうとする天使が現れては、李糸が捕まえ。


「逃げたら10倍ね」


 とニコニコしながら肩をたたく。

 そして10分が経過し。


「座るんじゃねぇ! 隊長! お願いします!」


 無慈悲な回復魔法、ここまで回復魔法に恐怖することなんてないだろう。

 天使たちは。


「い、嫌だ! 回復魔法は止めて……! もうやりたくない!! あ、ああああ! 回復していくぅうう!!!!」


 と、叫んでいた。

 ちょっと楽しくなってきたシェリーは、どんどん回復させていく。

 もう地獄絵図である。

 無事(?)にスクワットが終わり。


「それじゃあ、今日はここら辺にします。 明日もやるんでよろしく!」


 初めての訓練はこうして終了した。

李糸も訓練生と一緒に訓練やってます。

次回も訓練と別のお話ですかね。

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