ミレク②
最後です。
目的地に着いた二人は、そこで魔族が現れるのを待ち続けた。
しかし、その日は誰も現れずに終わり、仕方なく二人は魔族が現れるまでの間、そこで待ち続けることにした。
「それにしても、現れないですね。 本当に来るんですか?」
「確かな情報が入ったんだ、現れるはずだ」
ミレクが焦る中、静かに待ち続けるシェリー。
ミレクが新しい話を愛用としたときである。
シェリーは茂みの奥に、確かな気配を感じ取った。
すぐさま、ミレクの口をふさいだ。
シェリーが感じた気配は足音に変わり、だんだんと複数の足音へと変わっていった。
足音の正体は魔族だった、しかもその数は尋常ではなかった。
このままの任務続行は不可能だと感じたシェリーは、ミレクに撤退の合図を送った。
しかしここで、現れてはいけない存在が現れてしまったのである。
「どうだ、やれそうか」
「デラウテス様! ここなら天使の目をかいくぐり基地を作ることができるかと!」
「そうか、早めに頼むぞ」
茂みの奥から現れたのは、デラウテスという名の魔族だった。
その瞬間、ミレクは動けなくなってしまったのである。
彼の足は硬直し、身動きが取れなくなる。 やっとの思いで動ける様になったが、早く逃げねばという焦りからシェリーは躓いてしまう。
その音を、魔族たちは見逃すことはなかった。
「誰だ!!!」
シェリーがそのことに気づき助けに行こうとするが、もう遅く。
ミレクはあっさりと魔族たちに見つかり、捕まってしまった。
魔族に囲まれ、デラウテスの前に運ばれるミレク。
「天使だな。 この任務は気が付かれていたってことか……」
デラウテスはそういい、先ほど隣にいた男の所へ向かうと、何のためらいもなく殺してしまった。
「何が天使の目をかいくぐりだ、死んで償え!」
死んでいる肉体を何度も何度も踏みつぶすデラウテス。
あっという間に魔族の体は、血溜まりへと姿を変えた。
「次はお前か、どう殺してやろうか」
ミレクは恐怖のあまり、その場から動けないでいた。
そんな時聞き覚えのある声がする。
「その手を放せ!」
「んあ? なんだてめえ」
「我々は天使だ! その手を離さねば貴様を殺す!」
現れたのはシェリーだった、部下のため体を張り現れたのだ。
その行動にシェリー名を口にするミレク。
「俺たちを殺すだと? ふ、ふははは! 笑わせる!」
デラウテスは余裕の表情でシェリーの言葉を笑い飛ばす、そして。
「あー、もうこいつどうでもいいわ。 もっと面白そうなのが出てきたし」
そういい、ミレクの頭を吹き飛ばした。
何の前触れもなく、虫をつぶすがごとく。
シェリーはその動きに反応することができず、ただミレクの顔を見ることしかできなかった。
ミレクの死に際は、恐怖や恨みにより顔がゆがむのではなく、シェリーが助けに来てくれたという安心感によりほほ笑んでいた。
そんな顔の部下を助けることができず、見殺しにしてしまった。
その事実は一生シェリーに付きまとい、離れることはないだろう。
「うあああぁあぁぁあぁああ!!!!!」
声を張り上げデラウテスに突進するシェリー、余裕の表情のデラウテスだったが次の瞬間には頭だけがなくなっていた。
周りの魔族たちも何が起きたのか分からないのか、動けずにいた。
シェリーは動きを止めることなく、無造作に魔族を殺していく。
時間がたつと状況を把握した魔族達、中には逃げまどい悲鳴を上げるものや、シェリーに立ち向かおうとする者がいたが、どれも意味はなくシェリーの餌食になった。
5分と経たないうちに魔族たちは全滅し、残ったのは大量の死体と血の海だった。
シェリーはミレクを抱え大天使のもとへ帰る、その足取りは重く一人で何かをつぶやいていた。
その内容は全てミレクとの思い出だった、彼がシェリーの部下になり半年。
様々なことがあったが、どれもいい思い出だった。
この日を除けば。
帰ってきたシェリーは、頭のなくなったミレクを抱え、全身返り血だらけだったという。
それから彼女は感情の薄い性格になり、冷血の隠密隊長と呼ばれるようになる。
しかし、本当の彼女は冷血などではなく、沸々とじっくり魔族への憎悪を溜めていった。
結構すんなり終わってしまいました。
本来ならもっと厚みのある終わり方をしたかったんですが.......、申し訳ない。
もし機会があればリベンジしたいですね。




