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天界が堕ちた日

こんにちは、結構急な展開かもしれません。

グロい描写があるので少し気を付けてください。

 二人の眼前には、赤い炎と赤く染まった天使たち。

 そして、手を赤に染めた魔族の姿。

 瞬間魔族の首が宙に舞う。

 気が付くと、シェリーは魔族を殺し死んでいった天使たちの前で膝を落としていた。

 そんな中、李糸は何もできず、動けず、言えずにシェリーの背中をただ見ていた。

 その背中は軽く上下に揺れており、怒りで震えているようにも、悲しみで揺れているようにも見えた。

 シェリーの目の前で横たわっている天使は、まだ子供のように見えた。


「彼女は、まだ31歳だったんだ。  人間界じゃ年を取っている様に感じるかもしれないが、こっちの世界で見たらまだ子供だ。 こんなことが許されるか……、そんなわけないだろう……。」


 シェリーは震えた声で言った。 そして、今度は恐ろしいほどに冷静な口調で言った。


「李糸、お前はここにいろ。 私はいってくる」

「…………! いえ! 俺も……」

「いや、お前は残れ。 いいな」


 それだけ言い残し、シェリーは李糸の目の前から消えた。

 目の前には天使の死体と魔族の死体があった、天使の死体は目が閉ざされており、血がほとんど拭き取られていた。

 対して魔族は、苦しみの中死んでいったか、目が見開かれており首は捥げ、血で肌が見えなくなっていた。

 流石に李糸も相当精神に来たのか、上手く立てずにいた。

 そんな時に後ろから声がした。


「なんだ~? お前がこれやったのか?」


 後ろを振り向くとそこには、セミロングの黒髪で20代前半のような男が立っていた。

 服は黒が基調で、所々赤い刺繍が入っている。

 胸元と左肩には国のマークの様なものが入っている。 それが魔界のもので、魔族だというのはすぐにわかった。

 なぜなら男の腕は赤く染まり、引きずられていた二人の天使たちも同じく赤に染まっていたからである。


「ん~? あー! これー? 途中でビービー喚いていたから殺しちゃった☆」


 李糸は、自分の血が一気に冷めるのを感じていた。

 そして、今まで訓練で鍛えられてきた筋肉たちが一気に膨張し、爆発する。

 李糸は目にも留まらぬ速さで魔族に近づき、首を掻っ捌く。

 が、しかし。


「もー、いきなりイケナイな~……。 そういうのは楽しまなくちゃ!」


 男は当然のようにその攻撃を避けた。

 だが、李糸も読んでいたのか、魔力隠蔽とシャドウカッターの併用で男の首を落とす。

 流石にひとたまりもなく、男は首から真っ赤な血をぶちまけて地面に倒れた。


「楽しいわけねぇだろ……」


 李糸はそれだけ吐き捨て、男が掴んでいた天使二人を先ほどの天使の傍まで運び、同じように血を拭きとり並べた。

 この一瞬で、目の前で魔族も含め五人の命が簡単に散っていった。


「ありえねーだろ……」


 シェリーには残れと言われたが、こんなものを目の前で見せられた李糸は動けずに何ていられなかった。

 一刻も早く生き残っている天使たちを救おうと走り出した。

 念のため、気配遮断とシャドウサイレンスを使った。 

 街中は先ほどの場所よりもひどく、天使と魔族の死体が乱雑に転がっていた。

 辺りには血の鉄臭さと内臓の、腐ったような臭いが立ち込めていた。

 それらの臭いはどこに行こうと李糸を追ってきた、しまいには鼻は曲がり何の臭いなのかすらマヒしていた。

 しかし、次にこの臭いが彼を襲ったらすぐに分かるであろう。

 李糸は知ってしまったのだ、死体の臭いを。

 吐きそうな自分を押さえつけ、町を駆ける。

 だが、いくら探そうとあるのは死体ばかり。

 その時、物音が聞こえそのほうへ行ってみると。


「や、やめてくれ……」

「黙れ。 お前らがやったことと同じことをしているだけだ」


 そういい、少女が黒服の男を殺す。

 その少女はさっきまで共にいたシェリーだった。

 彼女は全身を魔族の返り血で染め上げ、夜の街で次の獲物を探しに消えた。

 そんな姿に李糸はハッとし、気配感知を発動しシェリーと生存者を探した。

 気配感知のおかげか、生存者はすんなりと見つけることができた。

 さっきまでは気づかなかったが、死体の山に隠れていたり、ごみの中や水の中。

 様々なところに隠れて身を守っていた。

 李糸は生存者を確認して、安全であろう地域まで送り、また探すを繰り返していた。

 ある程度の生存者を助けると今度はシェリーのもとへ駆けつけた。

 丁度シェリーは新しい魔族を殺した瞬間だった。


「隊長!」

「……李糸か、なぜそこにいる」

「生存者を見つけ安全地帯まで送りました。 後は隊長だけです」

「何を言っている。 魔族はまだいるんだぞ!」

「それはこっちのセリフだ! 勝手に行動し魔族を殺して……。 そんなんじゃあんたが壊れちまうじゃないか!」

「……とっくのとうに壊れてるさ……。 すまない、少し冷静になった。 私が悪かったな……」

「分かってくれればいいですよ……。 とりあえず、行きましょう」


 それだけ言い、二人は生存者がいるところまで行った。

 本当は李糸も魔族を殺したかっただろう、目の前で天使が殺され妹だって行方が分からない。

 だが、頭では理解していた、これ以上助けたら自分たちの手じゃ負えなくなり、目立つことで全滅するかもしれない。

 こんだけ考えられるようになったのも、あの時シェリーの表情を見たからかもしれない。

 彼女は魔族を殺し、その血を浴びて笑っていたのだ。

 それで冷静になるなんておかしな話だが、事実李糸は冷静になりこうして状況を把握し、自分に出来る最善の手を尽くしていた。


 生存者を連れた李糸たちは、天界の辺境に住んでいるメビロのもとへ向かっていた。

すごいことになりましたね......。

明日は”完全なる休みの日”なので、二本投稿したいですね~。

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