謎のスキルと勇者の話
何とかギリギリ......。
毎日投稿は続くぞぉぉおお!!!
「大天使様、報告でございます」
「シェリーか、早かったではないか。 進行状況はどうなのだ」
シェリーは少し間を置き、それが……。 っと続けた。
「簡単なものではありますが、闇魔法を三つ取得いたしました」
「なに? まだ5日しか経っておらんのだぞ」
「はい。 それから少し奇妙なスキルが隠れておりまして……」
そいいながら李糸が書いて見せたものと同じものを、大天使に見せた。
「なんだ……? その、スキルなのか?」
大天使も見たことがないスキルのようで、困惑していた。
「李糸が言うには、これが関係して異常にレベルが上がりやすくなっているとか」
「因みに奴のレベルは今どのくらいなのだ?」
「25になったと」
大天使もまた頭を抱えながら、シェリーに確認をした。
「冗談を言っているのではないのだな?」
「もちろんでございます! 命に代えてもこのような冗談は申し上げません!」
慌てながら、冗談ではない事を伝えるシェリー。
元々、シェリーを信用している大天使は。
「……わかった、信じよう。 しかし、その上がり方は異常だ」
信用はしているが、李糸のレベルの上がり方は、どうしても信じられないでいた。
「私もそう思います。 いくら頑張ろうとこの短期間で、ここまでレベルが上がるなんてことは考えられません」
「一つレベルを上げることさえ、早くて数か月。 数日というのはな……」
両者ともに、頭を抱え込んでいた。
ここでシェリーは、大天使に提案を持ち掛けた。
「大天使様、一つ提案なのですが。 現在行っている研究を、李糸ののスキルに回してみてはいかがでしょうか」
「……そうしたいのもやまやまだが、情報が少なすぎるからな……。 今のままではそれはできない」
「そうですか……。 無理を言ってを申し訳ありません」
結局シェリーの提案が通ることはなかった。
が。
「私の旧友に、古いスキルを研究している奴がいる。 そいつに意見を聞くくらいならいいかもしれぬな」
研究することはかなわなかったが、
「! それでは!」
「招待状を出しておこう。 近いうちに行くといい」
「ありがとうございます! それでは、三日後に発たせていただいてもよろしいでしょうか」
「それまでに送っておこう。」
こうして、シェリーと李糸はスキル解明の手がかりを手にしたのだった。
*****
「今日も少し移動するぞ」
「何しに行くんですか?」
李糸は疑問する。
「大天使様のご友人に会いに行く」
「大天使の?」
「ああ、どうやら古いスキルについて研究しているお方らしくてな。 お前のスキルも見てもらうことになった」
「! ってことは、俺のスキルが何なのかわかるかもしれないんですね!」
「そういうことだな。 目的地まであと少しだ、急ぐぞ」
そういい二人は足を速めた。
その場所には立派な屋敷が立っていた。
「もしかしてここですか……?」
「そのようだな。 入るぞ」
ガチャ
扉を開けるとそれほどしないうちに声が聞こえた。
「誰ですかな?」
ダンディーな髭の似合う、おじ様が出てきた。
「メビロ様、お初目にかかります。 シェリーと申します。 こちらは私の部下、李糸です」
「どうも」
シェリーが簡単なあいさつをすると。
「おお! 君たちが例の! どうかゆっくりしていってくれたまえ!」
メビロというおじ様は、熱く歓迎してくれた。
「えっと、俺のスキルを見てくれるんですか?」
「いやあ! 君が李糸君か! 早速見てみようじゃないか!」
やけにテンションの高いおじ様は、奥の部屋に案内してくれた。
「ここでいつも研究をしているんだ!」
「へぇ~。 広いんですね」
「あぁ! そうだろう! それで、君のスキルってのが?」
「えと、これです」
そういい、李糸はスキルの名前を書いた紙を見せた。
「ほう、これはまた……。 初めて見るスキルだね」
「やっぱ見たことないですか……」
そう、落ち込んでいるとメビロは興味深い一言を言った。
「ただぁー……。 見たことのないスキルがあったていうのは本で見たな」
「本当ですか! それはどこで?」
「古い文献でね、今から何千年と昔の事なんだけどね。 いわゆる”勇者”ってのが持っていたらしいんだよね」
「勇者ですか?」
勇者なんてものが存在していたのか、というような顔をしながら李糸は話を聞いた。
「その勇者も、読めないしよくわからないスキルを持っていたらしいんだ。 ただ、それのおかげかエリート兵士、百人足しても有り余る程の強さだったと書いてあったかな?」
「そんなに……」
メビロはここで、聞き逃せない一言も言った。
「ただ、その勇者は一般的な人の寿命よりも、短命だったと文献にはあったね」
「短命……。 大体どれくらいだったんですか?」
「確か、30前後とか書いてあったかな」
何千年も前といえど、それほど優秀な者が30年で亡くなるのは奇妙だった。
「結構ですね……」
「まあ、君がこうなるとは限らないしさ! 気にしなくていいと思うよ!」
メビロはそういっているが、李糸は不安を隠せずにいた。
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