良いですか?集中です
毎回ぎりぎりで申し訳ないです...。
いつかは魔法とかをまとめた話を投稿したいです。
李糸は終始混乱し続けていた。
な、なんなんだ! さっきからこの人は何を言っているんだ!?
お前さえいなければって、なんだよ!
「いい加減にしろ」
シェリーは冷たく、そして重くサテラに向かって言った。
サテラは半狂乱になりながらシェリーに。
「シ、シェリーはその男が良いっていうの?!」
「何度も言わせるな。 いい加減にしろ」
そういうとシェリーは、無理やりサテラの呪縛を解いた。
「そ、そんな……!」
「これは大天使様からの命だ、従わないようならこちらもそれなりの手段を取らせてもらうぞ」
サテラは諦めたのか、大人しく李糸を解放した。
「よし、それでは早速だがサテラには李糸を訓練してもらう」
「え……? 私が?」
「この人に教えてもらうんすか!?」
「何だ、嫌なのか二人とも?」
シェリーは圧をかけながら言うと、二人はブンブンと首を横に振った。
「それでは、私はお前たちがしっかりやっているか監視している」
シェリーは隅にある椅子に座って監視を始めた。
「そ、それじゃあシェリーに頼まれたから訓練を始める……」
「は、はい」
「まず、魔法の習得だけど……、単純なものなら簡単……です」
「そうなんですか」
「ただ……、そこから派生させて……色々な魔法を習得するのが……難しい……」
「は、はあ。 あの、もう少しちゃんと喋ってもらってもいいですか?」
「わ、わかった……。 一番初めに覚える闇魔法は……」
話が長かったのでまとめると、単純な魔法ほど簡単に覚えることができ、複雑なものほど覚えるのが難しくなっている。
今回覚えてもらう魔法はシャドウサイレントという魔法で、自分が原因で出る音を限りなく聞こえなくするものだという。
やり方としてはイメージの力が強く関係してくるので、集中することが必要となってくる。
なので、まずは集中する訓練をするという。
「集中するために三日間ほど何もない部屋に入ってもらう」
ある程度李糸と接したことで慣れたのか、だいぶ話し方が流暢になってきた。
「分かり……、三日間!?」
「そう」
「飯は……?」
「今のリートの体力量なら大丈夫」
「えぇ……」
「それじゃあ入って」
そういいサテラは影魔法で、無理やり部屋に李糸を入れた。
「あ! ちょ!」
もう遅い。
*****
むぅ、どうやら出ることは出来ない様だ。
幸い体力はほとんど残っているので、三日間は耐えられそうだが……、精神的に無事出てこれるかが怪しい……。
急に外から。
「部屋の中では喋らないで、何か一つの事をずっと考えていて」
マジかよ……。
考えろって言われてもな……、どうせだし魔物や魔獣との戦いを思い返してみようかな。
確か初めに戦ったのは、ミルケイプっていう四足歩行の魔獣だったよな。
あいつはステータス的にも弱かったから、後ろから静かに殺したんだったな。
次が……、レッサーモンキーだ! あれは、危なかったな。
ステータスはそれなりに上がっていたけど、相手のほうが力と速さが勝っていたからな。
あの時は生き残ることしか考えていなかったな……、今思えばもう少し簡単に勝てたんじゃないかなって思うけど、あの時は余裕がなかったからな。
後は、ジュエリーピッグ! あれはうまかった、後から聞いた話だと100g日本円換算で30万もするらしいんだよね……。 さすがに高すぎ。
そういえば、まだ天使とか魔族なんかしか見てないけど、亜人や獣人もいるんだよな。
いつかあってみたいなぁ。
亜人も普通の人間なんかと姿かたちは変わらないんだっけな、ギルドがあって魔物や魔獣を倒して生活とかしてるのかな。
そういえば、レベルってどこまで上がるんだろう? シェリーは60近くあったけど……。
確か120歳くらいだったから……、レベルを上げるのも大変なんだな。
そう考えると、この数日間でレベルが20行った俺ってすごいのでは?
こんなことを考えて一日目は過ごした。
二日目は一日目とは違い、あまり物事を考えることができなかった。
しかし、三日目になるとなぜか頭がさえてきて、戦い方や効率のいい魔獣の倒し方なんかを考え付いた。
気が付いたころには三日は過ぎていて、扉からサテラが顔をのぞかせていた。
「お疲れ様。 まさか耐えれるなんて思ってなかったよ」
「どういうことですか?」
「あれ? きつくなかったの? 大体の人は二日目に頭がおかしくなって発狂しちゃうんだけど」
「え! 聞いてないですよ!」
「まあ、言わなかったからね」
「確かに二日目は頭がぼーっとしましたが、なんともなっかたですよ」
「へぇ~。 大した精神力だね。 リートはステータスが見れるんだよね、自分のスキルを確認してみな」
「はい。 スキル表示」
すると、そこには新しく【集中】というスキルが追加されていた。
しかし。
「あ! 集中ってスキルが追加されています!」
「そうだろう。 多分スキルレベルは5とかになってるんじゃないかな?」
「……い、いえ。 17って……」
「そうか、じゅう……。 へぇぁ!? 一回の訓練でそんな上がるわけ……」
「えっ……。 あのじゃあ、数日間でレベル0だった奴が20以上に上がることって……」
「あり得るわけないだろう! 一つ上げるのにも何年ってかかることだってあるんだ! ……まさか」
「はあ、そのまさかで……」
その時のサテラの目は化け物を見るような、そんな目だったという。
さて、なんでリート君はレベルが上がるのが速いのでしょうか...。
主人公補正とか言わないでください?