闇魔法取得にあたって
新しいキャラが二人出てきます。
それから、魔力遮断を魔力隠蔽に変更しました
「ほう、李糸は魔力隠蔽を覚えたか」
李糸が順調にスキルを覚えていくことに満足している様子の大天使。
「はい、この次は隠密系スキルと相性のいい闇系統のスキルを覚えさせようと思うのですが、いかがいたしましょう」
シェリーはそういい大天使に提案する。
「闇魔法……。 あの女か、今回は監視を頼むぞシェリー。 随時報告を怠るなよ」
一度も報告を怠ったことのないシェリーにニヤリと微笑んだ。
「もちろんです。 それでは失礼いたします」
そういい静かに扉を開き、退出する。
シェリーが自分の部屋まで戻ろうと、廊下を歩いていると見知った顔の女が話しかけてきた。
「あら、シェリーじゃない。 最近人間を部下に加えたんですってね」
いつも何かあると突っかかってくるシェリーの同期。
ストレートの赤髪で目が細く、鼻が高い。 彼女の名前は。
「ミーレイ、何の用」
「あまり部下を持とうとしないあなたが人間を部下に加えるなんてね……。 もしかして、その人間に惚れたの?」
嫌な笑みを口元に浮かばせ、ミーレイはシェリーを挑発するような口調で話す。
「私はあなたとは違って、大天使様直々にご命令されているの。 あなたなんかと一緒にしないでいただきたい」
売り言葉に買い言葉、シェリーも続けてミーレイを挑発する。
「なんですって……! ま、まあ、いいわ。 今度は部下を死なせないように気を付けることね」
それだけ言い残しミーレイは自分の部屋に戻っていった。
シェリーはというと、先ほどのミーレイの言葉で固まってしまっていた。
何があったかはまた別のお話……。
少したってから自分の部屋に戻ったシェリーは、一日休んでから李糸を呼んだ。
「今日からは影魔法を習得するための訓練をしてもらう」
「ついに自前の魔法を覚えられるんですね! あ、でも闇魔法か……」
最初は興奮したような様子の李糸だったが、すぐに不満そうな顔をした。
「なにか不満か」
「いえ、不満っていうか。 地味だなって……」
理由がわかるとシェリーは、闇魔法の利点を次々に述べていった。
「いいか、闇魔法は素晴らしいぞ。 まず戦闘に生かすことで……」
シェリーの話は2時間ほどまでに上り、途中から李糸は動かなくなっていた。
しかし、それに気づかずシェリーは話を続けた。
「……だからこそ、闇魔法は重要な……おい、何寝ているんだ」
「……ん、あれ。 おわりやしたは」
「寝ぼけているんじゃない!」
そう言い一喝するシェリー。
「だって、話が長いんですものー」
不満げな声を上げながら李糸は起き上がる。
「まあ、闇魔法の利点はここまでにしてやろう。 訓練だが、闇魔法専門の知り合いがいるからそいつの所へ行く」
「分かりました。 それじゃあ早速行きましょう」
その知り合いは天界の辺境に住んでおり、あまり他人と関わらないという。
「所で、大丈夫なんすか? その知り合い」
「………」
「なんか言ってくださいよ!?」
数時間歩くと目的の家に着いた。
「おい、入るぞ」
ギイィ……。
建付けが悪いのか、扉は大きな音を立てながら開いた。
「な、! だ、誰だ!!」
ヒュン。
「ホォア!! この人急に刃物投げてきましたよ! 大丈夫なんですか!!」
急に飛んできた果物ナイフに慌てる李糸。
「うるさい! あまり刺激するな。 おい、サテラ私だ。 シェリーだ」
「し、シェリー?」
やっと気が付いたのか、「シェリー!!」 と大声を出しながら抱きついてきた。
「相変わらずうっとおしいやつだな……」
「何なんすか、この人……」
今だ状況を読めていない李糸は一人立ちすくしていた。
「言い忘れていたな、彼女はテスラ。 闇魔法学者で私の旧友だ」
「てことはこの人もバb……フガッ」
李糸が何かを言おうとした瞬間、口の周りを黒い霧のようなもので覆われてしまった。
少し経ち霧が消えると。
「何すか、これ!!」
「闇魔法だ」
シェリーに即答されてしまった。
「はぁ……。 なんか疲れちゃいましたよ……」
「ん? まだ疲れるのは早いぞ。 とりあえず挨拶位しておけサテラ」
「……サテラといいます……よろしくお願いします……」
「はあ、李糸って言います。 お願いします」
「り……リートさんは、シェリーとどういった関係で?」
「部下ですかね」
ここで少し間をあけ。
「へぇ~。 シェリー部下を取ったんだ……。 私の事は部下にしなかったくせに……」
「い、いや。 違うんだサテラ! これは大天使様からの命で……」
「うるさい!!」
サテラがシェリーに向かって叫ぶと突如、黒い紐のようなものが伸びてきた。 それはシェリーの手足を縛り宙に浮かせた。
「お、おい! 落ち着くんだ!」
「あれ、隊長押されてる……?」
「うるさい黙れ! シェリーを奪った元凶め……!」
李糸も手足を縛られ口も塞がれてしまった。
「おい! 手も出すんじゃない! サテラ!」
「お前さえいなければ……。 お前さえいなければ……。 お前さえ………」
サテラはお前さえいなければ、と何度も反復して李糸につぶやいていた。
サテラはヤンデレ?だった。
本日二回目の投稿です!
急いで書いたので誤字があったらごめんなさい!