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零れ詩  作者: 文 詩月
3/5

二人だけの楽園

 


 忘れ去られた小高い丘には

 シロツメ草の絨毯と

 古ぼけたベンチがあって


 約束のない午後の日に

 君が僕の隣に腰掛けたら

 ここは二人だけの楽園に変わる


 幼い君は恋を嫌う

 その甘美な痺れも知らず

 陳腐なものだと(かぶり)を振る


 ただ今は二人だけで笑っていたい

 他愛もない会話をしていたい


 無邪気に云う君は

 僕の秘めた焔に気づかない



 また一人恋で友を失った

 

 そう云って涙する君の額に

 口づけを落とし

 「友愛のしるし」と偽る舌


 ちっとも染まらぬ頬を

 憎らしく思いながら

 それでも笑った君が愛おしい



 夕闇が楽園の終わりを告げる


 僕らは約束を交わすことなく手を振って

 それぞれの世界に帰る


 帰り道 願うことは唯一つ

 明日も君に会えたなら


 胸の奥 焔が揺れた




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