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零れ詩  作者: 文 詩月
1/5

幸せな愚か者



 箱の中 閉じ込められて

 身動きすら ろくにできない


 自分の吐き出す 二酸化炭素で

 酸素はどんどん 薄くなり


 鈍い光を放つ 数多の刃が

 私の体に 休む間もなく突き刺さる


 この箱の外には 楽園(パラダイス)が広がっていて

 私もいつかは そこへ出れる


 わかっているよ


 だけど今は そんなこと

 どうでもいいの


 将来の幸せより

 今、平安がほしい


 涙も 叫びも 届かなくても

 刃が 嬉しそうに 心臓を貪っても


 それでも 生きたいと願う私は

 なんて幸せな 愚か者


 死が 私を殺すまで

 私は 生きると決めたんだ


 幸せも 不幸せも

 痛みも 恐怖も 虚無感も

 すべて どうでもいい


 あなたが 優しい嘘で

 私を この部屋に閉じ込めて

 消えてなくなる その日まで

 私の未来を 願ったから


 死が 私を殺すまで

 私は 生きると決めたんだ


 ほら やっぱり私は

 なんて幸せな 愚か者




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