ホタルが輝いて
顔を覆い 嘆く 僕は
過ぎる夜に なすすべもなく
夜を駆けゆく 君の横顔
憂鬱の影に消えて 弾け
狂いだした心が 壊れた古時計と
揺れながら時を刻む 感情線の果てに
綺麗ごとの裏に 潜む残忍さ
僕の中で生まれる 孤独の落とし子よ
子宮を震わせてる 君の情動は
体ごと奪っていく 幻想の名残と
いつまでも変わらない 「何か」があるのなら
僕をとらえ離さず 久遠の道へ
体の痛み 心を裂いて
僕の歪む大地の先へ
息苦しさの その奥に眠る
悠久の鼓動 誰のために?
壊れだした心が ノイズの混ざるフィルムと
記憶をすべて暴き出す 醜さも尊さも
醜悪さの裏側 美しい蝶が舞う
許される限り 僕らを導いて
悲鳴が鼓膜を 引き裂きそうなその時
体さえ変わっていく 幼き眠り子と
僕ら捕らえては離す 「何か」があるのなら
僕らを手招きして 久遠の道へ
ホタルが輝いて
掌で消える
誘惑の跡形も
痕跡も残さず
ホタルが輝いて
甘い水を飲んで
睨みつけるように
息絶えて消えていく
ホタルが輝いて
夜空で群れをなし
象る蝶の模様
死の文字にも似ていて
ホタルが輝いて
辛い水を舐めて
苦しみながらのたうって
黄泉の国へ落ちる
ホタルが輝いて
ホタルが輝いて
ホタルが輝いて
ホタルが輝いて
痛ましき声 夜に響く