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作戦会議

 数分後車は源邸に到着した。

 源邸はあいも変わらず大きい。いかにも日本の家です。といった外見。それでいながら決して悪趣味ではない、優美なお家です。


「お疲れ様です」


 松さんが先に降りていてドアを開けてエスコートしてくれる。百合の事は月さんが。執事ですかこの人たちは。ここ極道のお家ですよね。


「あ、電子。松に薬渡して」


「はい」


「お預かりします」


 霞さんが家の門を開けると大勢の部下の人達が寄るにもかかわらず並んで迎えてくれました。いや、こういう人たちはむしろ夜が本番でしょう。


「電子、部屋に案内するわ。貴方達! これからアタシ達はガールズトークに花を咲かせるからアタシの部屋には近づかない、近づけさせないように」


 百合が叫ぶといかついお兄さん達は一斉にお返事。おお、ちょっと圧巻。でもこれって近所迷惑になりませんかね。家が広いから周りの人には聞こえないかもですね。


「さ、行きましょう」


 いかついお兄さん達の花道という全然いい気分になれないルートを通りながら百合の部屋へ。流石に大江三つ子の皆さんも部屋には入ってこない模様。

 それでも警戒を怠らない百合はふすまを閉めてからも聞き耳を数秒立ててから座布団を上に座りました。

 

 百合の部屋に来るのは本当に久しぶりの事なのですが前と余りインテリアに変わりはありませんでした。女の子らしいパステルカラーを基本とした家具が揃えられているという空間にショットガンやマスケット、拳銃といったやっぱ極道だわぁと思う代物が壁にびっしり。


「ん? どうしたの?」


「いえ、変わりないなぁーと」


「そう? 結構モノ増えたんだけどな。S&Wとかデザートイーグルとか」


 増えたの家具じゃ無くて銃の話? あえて口に出してツッコむ事はしませんが。長引くので。


「んでどうしよか」


「まずはどのように魔法少女使いと一緒に行動するかですね。いきなり一緒に行動させてといっても無理でしょう」


 あれほど険悪な態度を取ってしまいましたから近づくことすら不自然になってしまいます。あちらに悟られない良い理由が有ればいいのですが。


「多分だけどあっちは電子が薬を飲んだと思ってるんだよね」


「そうだと思います。上手く騙せていればですけど」


 こうは言いますが私は白雪姫先生は見抜けていないと思います。あの場で気づいているなら薬を飲ませ直さないのはおかしいですから。


「じゃあ、魔法少女になる覚悟ができたからお仕事見学させて下さいってのはどう? 話によると魔法少女って負担があるんでしょ。怖いから見学して心構えをしたいとかさ」


「良いかもですね」


 もし私が本当に薬を飲まされていたならば、私は百合と話をしていなくとも白雪姫先生のところに教えを請いに行っていたでしょう。白雪姫先生は私を冷静な子と言っていました。己惚れのようではありますが、私も人よりは肝が据わっている自覚があります。そうでなければこんな作戦立てようともしないでしょうしね。ですから、薬を飲まされた途端私は魔法少女になる覚悟をしていた事でしょう。私は過去の経験から準備は大切という事を知っています。どちらにせよ私は魔法少女と魔法少女使いについて知りたがっていたでしょう。ですから今私が白雪姫先生に教えを請いてもなんら可笑しくは無いのです。向こうもそういった印象を私に抱いているのですから。


「ですが問題点もあります。私が実際に魔法少女に変身させられそうになった場合です」


「そこは電子のフォロー能力でどうにかするしか。変身の条件って分かって無いの?」


「確かメイクアップがどうかこうとか言ってからです。これを唱えた後に魔法少女に変身していました。これさえ唱えられなければ大丈夫なはずです」


「あとは電子の力にかかってると。そうだ、アタシに協力できる事は無い? 学校は違うから校外での活動に限定されちゃうけど」


「いえ、特には」


「そう? わかったわ」


 そう言う百合の表情はちょっとさびしそうに感じます。事あるごとに一緒に色々やってきた仲ですから動けないのは苦しいのでしょう。私が逆の立場でも同じように感じていた事だと思います。


「でも、源組が暴走して警察に目を付けられないようにしていただけるとありがたいですね」


「それくらいならお安いご用!」


「ええ、頼りにしてます」


 百合はとびきりの笑顔で答えてくれました。やっぱり話を共有したり協力したりできる親友がいるのは良いですね。この顔を曇らせないためにも私はドジを踏めません。


 その後も作戦の細かいところを決めて行きました。その結果、教えを請うのは明日の放課後に決定。私は平組はもちろん源組についても何も知らない一般人としての演技をする事に。そしてできるだけ好奇心旺盛な態度でいること。そうすれば色々聞き出せるかもしれませんので。幸いいままで白雪姫先生や徒然君とはあまり関わった事がありません。ですので多少私がいつもと違っても大丈夫でしょう。

実のところ魔法少女にも魔法少女使いにも興味があります。そしてこの二つを生み出した人の事も。科学の力、とても気になります。


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