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狼になっちゃった!  作者: 家具屋ふふみに


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16話 本領発揮!

 ガレフさん達が身体を動かしているのをボケ〜っと眺めていたら、また新しい足音が聞こえてきた。それと同時に話し声らしきものも聞こえ始め、その声を理解した途端私の尻尾が自然とユラユラ揺れだしたのを感じる。本能に引っ張られてるぅ……。


「アヤメー! 帰ってきましたよー!」


 足音の正体は、私の予想通り帰ってきたミリアさん達だった。安全地帯に入ってきたミリアさんが、元気に叫びながら私のお腹へとダイブしてくる。あっ、ちょっとまぐふっ……。


「えへへ…いい匂……ん?」


 だらけた表情で私のお腹にスリスリと頬を擦り付けていたミリアさんだったけれど、何かに気付いた様子で顔を上げてスンスンと匂いを嗅ぎ始める。な、何? ちゃんと毎日綺麗にしてるし臭くないはずだけど?


「……女の匂いがする」


(あーー……)


 そう言えばリサさんが楽しんだ後は綺麗にしてないや。でもそんな直ぐに分かるものなんだろうか……。


「さっきまで別の冒険者が居たんだよ」


「そうなのですか?」


「ああ。ガイアメルク出身の三人組だな。アヤメの事を紹介したら、一人が強い興味を示してな……聞いてみれば、どうにも動物好きなのに動物から嫌われるタイプだったらしい」


 ミリアさんにガレフさんが説明してくれる。リンダさんはわざわざ説明するのも面倒臭いのか、全てガレフさんに任せてお昼寝をするらしい。自由だねほんと。


 ちなみにリサさん達は、ミリアさん達が帰ってくる少し前に安全地帯を出て行った。リサさんは案の定凄く名残惜しそうにしながらも、他の人に引き摺られて行ったよ。凄く既視感を覚えたのは内緒だ。

 

 グリグリとまるでリサさんの匂いを上書きしようとするミリアさんを見つつ、アリーシャさん達の会話に耳を傾ける。


「そうだったのね。なら残っていてくれたら有難かったのだけれど……」


「なにか話す事があったのか?」


「ええ。アヤメについてギルド長に相談したら、一旦は箝口令を敷くと言われたのよ」


「箝口令?」


「アヤメに悪意を持って近付く人間が出ないようにする為ね。それでアヤメが人間に対して不信感を抱いたりなんてしたら大変だもの」


 ……まぁ、そういう人も中にはいるよね。私はただの狼じゃないし、その程度で全ての人間に不信感を抱く事は無いから安心して欲しい。教えられないけど。


「そうか…なら早めに会った方が良いかもしれないな。リサの様子から言って、誰かに自慢しそうな雰囲気がある」


 ガレフさんの言葉に思わず頷く。それは否定しない。


「なら探しに行きましょう。そこまで時間が経っていないのなら、まだ近くに居るはずよ」


「放置では駄目なのですか?」


「……ミリア、貴方アヤメに買ってきたお土産を見せたいだけでしょう。そんなの後からでも間に合うんだから今は諦めなさい」


「むぅ……」


 なんとお土産を買ってきてくれたらしい。楽しみだけど今は我慢だ。元はと言えば私の為にリサさん達を探しに行こうとしているんだからね。

 ならば私としてもアリーシャさん達に協力するのは吝かでは無い訳で。


「ガウッ!」


「ん? どうしたのアヤメ?」


「もしかすると手伝うと言っているのでは? アヤメは狼型ですし、鼻は利くでしょうから」


 ミリアの言葉を裏付けるように大きく頷いて答える。伊達にこの身体になって短くないのだから、自分が出来る範囲というのは割と理解している。リサさんの匂いは覚えているし、追い掛けるのは難しくないはずだ。


「なら手伝ってもらいましょうか。そうね…二手に分かれて探した方が良さそうね。私達がアヤメの足について行くのは大変でしょうから、アヤメはミリアを乗せて二人で探してくれる? 私はガレフ達と索敵魔法で探してみるわ」


 それくらいならお易い御用だ。寧ろ後一人くらいは追加で乗せても問題は無いのだけれど…アリーシャさんがこう分けたのには理由があるだろうし、何も言わないでおこう。

 そう思っていたところ、アリーシャさんが近付いてきて私の耳元でひっそりと呟いた。


「もし何かあれば姿を消して」


「……ワゥ」


 その言葉さえあれば何が言いたいのか理解出来た。私の能力がどこまで及ぶかは分からないけれど、それならそれで魔法で何とかすればいい。ミリアさんに傷一つ許すもんか。


 安全地帯の出入口は複数存在していて、幸いにしてリサさん達が出て行った場所は分かっている。匂いも残っているし、これなら追跡するのは大丈夫だろう。


「お願いね」


「任せてください」


「アヤメに言ったのよ……」


 相変わらずなミリアさんだなぁと思いつつ、たったかと駆け出す。閉鎖空間だからか匂いは比較的残ってはいるけれど、そう時間を掛けてもいられないからね。

 こちらに気付いて貰わないといけない関係上、姿を消す事は出来ない。なのでモンスターは私の姿を見る事が出来るのだけれど、みんな私を一目見た瞬間我先にと逃げ出していく。まぁ逃げる先が私の進む道なんで追い越しちゃうんですけどねっ!


「やっぱりアヤメは強いんですね。みんな逃げていきます」


 そうなのかな。確かに苦戦するイメージは湧かないけれど、純粋に私が強いのかは分からない。逃げるっていうことは強いからなのかもしれないけれど、単純に私が大きいからっていう理由もあるかもだし。









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