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アスティア帝国への報告書  作者:
一方の物語
3/4

2ちょっとついてけないんですが。

こんにちは。

「聖女様、よろしいでしょうか?」


「はい、よろしいです。」

うん、ついていけない。

朝起きたら、ヒロインの容姿のままでってだけで頭ついてかないのに、メイドさんに支度される?

ありえないくらい高そうな宝石ジャラジャラついてる服着せられてるし。

え?異世界転生系の話は履修済みですが、自分がいざその立場になると何というか、その、皆さん順応早くない?

無理ですよ。これを一発で理解して、行動するの。

時間必要ですって。本当に。


「失礼いたします」


また、誰か来た。

1人にしてください、頼みますから。


「体調はどうですか?」


「昨日のお医者さんらしき人?」


「らしき、ではなく医者です。忘れたのですか?どうやら、まだ混乱しているようですね。」


「あ、はい。混乱はしてます。体調は問題ないです。」


「そうですか。それならばよかったです。」


どこもよくないですが??


「では、謁見も問題なさそうですね。」


「ん?謁見??それって、王様に会うやつですかね?」


「はい。あなたは聖女に認定されてから、以前とはだいぶ様子が違いますね」


うっ。そりゃそうだよね。疑われるよね。

でも、この子の体奪いたくて奪ってる分けじゃないというか。

ん?まってこれ私の体ではないのか?幻覚とかではなく?

魂が先か体が先か?え、哲学的な?

ん?思考がとっ散らかり始めたぞ。

これは、考えるのをやめよう


「あー。すみません。以前のこと何も覚えていなくて、あなたのことも。もしかして親しかったですか?」


「…そうですね、……親しいとまではいきませんでしたが顔見知りではありましたよ。」


「それは、すみません。覚えてなくて」


「いえ。では名乗った方が良いですね。」

「私は、王家直属のグリフォールで医者をしております、リンデスト・ディルヴァーと申します。」


「よろしくお願いします。私は…」

名前?なんだ?ヒロインのデフォの名前って、確か

「ルナリア・メアナイトです」

初見の時、メアナイト…悪夢、そのまんまじゃん!!って思ったんだよね


「はい、存じております。」


よかった、あってた。


「記憶がないということは、礼儀作法や言葉遣いももしや」


「え、多分、何も覚えてないです。」

こういう時って、なんか言葉遣い変換チートみたいなのがあるパターンもあるけど、今普通に話してて、普通に伝わってるから、多分そういう類のチートは持ち合わせてないだろうな。


「困りましたね。謁見するのにそれでは困ります。」


「え、なんかすみません。」


「教えるにしても時間がない。最低限必ず守ることだけお伝えします。」


「あ、はい、お願いします。」


「まず、あなたは今聖女という立ち位置です。」


「らしいですね、その聖女っていうのは結構すごい感じの立ち位置って認識であってますか?」

これ話によっては変わってくるんだよね、立ち位置。

でもここが、私の考えの通り「悪夢を照らすのは」の中であれば、聖女の立ち位置は


「はい、この国で最も高い位の身分となります。」


やっぱりか。であるならば

「今は不作の年であり、疫病が流行り始めてもいる。聖女は欠かせない存在であるため、より重要な存在になるのかな。」


「……全てを忘れたわけではないようですね。」


「え?声に出てましたか。」


「はい。」


「覚えてるというよりかは、今のはただ知っているっていうか」


「知っている。なるほど、天啓のようなものですか」


「え。あー。多分そうですね。」

そういうことにしといた方が都合良いよね。


「そうですか、それは…」


「えっとーで、私がトップなら気をつけるべきことってもしかして少ないですか?」


「いえ、逆に多いですね。」


「え?」


「敬われるべき存在であるのは確かですが、その敬うべき存在が怠惰な生活や無作法な行動をしていたら?」


「最悪ですね。敬いたくないです。」


「そういうことです。」


「始めましょう、一刻も早く。」


「はい。では、最低限の言葉遣いからーーー」



ー謁見ーーーーーーーーー


「どうにか形にはなりましたかね。」


「今思ったんですけど、なんで医者であるあなたが礼儀作法まで教えてるのですか?ありがたいはありがたいのですが。」


「何かあった時の対応が可能ということと、王族とよく接しているためということで選定されました。」


「あ、なるほど、王家直属ですもんね」


「付け焼き刃ではありますが、どうにか形にはなったはずです。」


「はい、何とか、忘れないよう頑張りますね。ありがとうございました。」


「仕事なので。」


コンコン

「聖女様、謁見の時間が近づいてまいりました、ご案内いたします。」

外から、低い男性の声がする。


「では。失礼します。」


「はい、ご武運を。」


「いや、戦いじゃないんだから。行ってきます。」


バタンっ。





「いや。あそこは戦場ですよ。ルナリア。」

読んでいただきありがとうございます。

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