白い粉
白いというよりは、乳白色寄り。
近頃、調子にのって摂りすぎるとハラにくるようになってきた、あいつ。
小麦粉である。
宅配のお兄さんに「やけに重いけど何ですか?」とか訊かれる程度の頻度で取り寄せしていた。一袋二.五キログラムの袋だったから、通常利用の品にちょっと気になった粉を追加して買おうとするとすぐ十キロを超えてしまう。
商売の人と思われていた時期もあったけど、ただの趣味です。
最強力粉、強力粉、準強力粉、薄力粉。
中力粉だけは業務用二五キログラムしか取扱いがなかったから諦めた。麺うちがメインではないから、さすがに無理。
セモリナ粉も買ってみたことがある。が、パスタは作らずにピザ生地に消えた。強力粉と半々でクラストを作ると好みだったのだ。やってみるもんだね。
計量時に袋を取り間違えて、最強力粉と強力粉(どちらも外国産の釜伸びがいいやつ)を混ぜたイギリス食パンを焼いたら、ふわふわふかふかなのにも関わらずよく噛まないと食べられない謎のパンができた。元のレシピは最強力粉と準強力粉を混ぜるものである。
ラベルの確認を怠った結果で、話のネタには楽しいけど顎が疲れるからもういいやってなった。フランスパンは好きだけど、それとも違うし。
薄力粉は用途別に北海道産のものをよく買っていた。
麦の芯に近い部分を製粉したもので製菓用と謳われているもの、オールマイティに使えるもの、外側に近いところまで製粉したもの。
製菓用のものはクッキーを焼いてもお店のお菓子に近いものができた。謳い文句の通りで口どけが違う。とにかくサラサラ。よそ行きのお菓子はこれを使っていた。
オールマイティに使えるものは菓子パン生地用に強力粉と混ぜたり、シフォンケーキを焼いたり、料理に使ったり。
外側に近いところまで製粉したものは、しっかり焼きこむ素朴なクッキーに向いていた。スコーンなんかもこれで焼いていた。
のだけど。最終的にスーパーで買える特売小麦粉に戻ってきた。
ただし、郷土菓子は地粉の方が断然おいしくできる。
製菓用の小麦粉だと、やたら歯切れの良い和菓子になるのだ。ふくれ菓子や利休ならいいけど、鬼まんじゅうやういろうの歯切れがよいのはちょっと違う。あれはもっちりしてなんぼ。
地粉は分類的には国産薄力粉だけど、扱った実感としては中力粉寄りだと思う。
薄力粉、中力粉、強力粉の分類は、たんぱく質含有量で決められている。
多いものが強力粉、少ないものが薄力粉、中間が中力粉。
中力粉がなければ、強力粉と薄力粉を混ぜればいいと思っていた。
強力粉と薄力粉の混合物と中力粉とでは、全然違う。
中力粉だけ捏ねたあとのグルテン量が、強力粉の倍くらいになるのだ。あれはいったいなんなのか。うどんのコシのもとである。強力粉と薄力粉の混合物ではこのコシが足りない。
種別指定には理由がある。
中力粉おそるべし。そりゃ鬼まんじゅうももっちもちになるわけだ。
でも行動圏のスーパーで中力粉の取扱いがなくなってしまった。
売ってくれえぇぇぇぇ!(切実
ちなみにフライ衣のバッター液を強力粉で作ると、ザクザク食感の衣になって楽しい。余っている強力粉があったら試してみるのもありかも。
強力粉でクッキーを焼くと、かたいのができる。ボリボリむさぼり食うにはいいけど、ストレスを疑われるので要注意である。




