さめでやらかす
さめの「アンモニアが多い」を侮っていた話。
いつもはね、買ってきたらすぐ食べてしまうか、唐揚げの下味つけて冷凍するかをしていたから、あまりどころか全然気にならなかったのだ。ある程度のクセは楽しんでしまうフシもある。
それが、なぜか日をおいてしまった。実験がしたかったわけではない。
パッケージを開封したとき、ニオイはなかった。いつもより丁寧に水気を拭く。塩水に浸ける処理もあるのだが、いまいち時間がわからんのでやめた。
濃い味にしたら気にならないだろうと思って、照り焼きにすることにする。
フライパンで両面を焼いて、余分な油を拭き取ったら酒、砂糖、味醂、醤油を絡めていくスタイル。
熱したフライパンに身を並べて数分、特に気にならない。換気扇効果なのか?
そんなことを思いつつ、裏返すためにフライパンに近づいたら。
目がっっ、目があぁーーーーーー!!!!
なにこれめっちゃ目に沁みる、アンモニア揮発すげえぇぇぇぇえ!!!
わたしの目はとても刺激に弱いから、それを多少差し引いたとしても「目がー!」しか出ねえ。
涙ぼろぼろ、号泣である。
いやあ、泣いた泣いた。
気を取り直してフライパンからのけぞりつつ裏返して焼く。
調味料を加えて煮詰めていくが、なんか照り焼きと違うニオイがする。
なんだろう、知っているようないないような。
帰宅した夫に「なんか照り焼きと違うニオイがするんだけどー」と話を振ってみたところ、返ってきたのは「ああ、なんか向こうから美味しそうな匂いがしてたんだよね、いか焼きみたいな」。
いか……。ああ、そうだね、いかもそんな感じだね、アンモニア……。
なんか口に入れるのが怖くなってくるな。
おそるおそる口にしてみれば「あれ、予想外ににおわない……?」
とはいえ、家の中もすごいニオイになったから、もう二度とさめは日をおかない。買わないわけではない。




