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けんこうのこみち

役所からほど近いところにある公営施設のかたすみに、健康のこみちなるものがひっそりと存在する。

施設内のトレーニングジムとは違って利用している人の姿はほとんどなく、稀にちびっこがお母さんを困惑させながらてくてく歩いているのを目撃することがあるくらいの、ほんっとーにひっそりと存在する設備である。


「一周してきた」

「二周してきた」どやっ。

「何分かかるか、次に行ったら計ってこようと思う」


近頃、なにげにマウントを取られているような気がするな。子から。


「わーすごーい(棒」


平たく返すのは勘弁してほしい。

マウントを取られても困るのだ。


「はじめの一歩ができないヒトに周回自慢かよぅー!」


そう。スタート地点で挫折するのだ。どうにかこうにか行けた最長記録が第一コーナー半歩手前。あのまま息絶えるかと思った。

無理。何回やっても無理なもんは無理。


家にあるごつごつしていない、竹の青竹ですら足踏みどころか乗るのがやっとなんだから、あんな道を往くのなんて無理に決まっている。

不健康すぎる。


「おかーさんもやらない?」

「やらにゅー」

「にゅ?」

「にゅー!!」


現実はかわいらしさのカケラもない、どちらかといえば見苦しさしかない激しい拒否におののく子。

やるならひとりでやってくれ。わたしはまず青竹が踏めるようになるのが先だ。


行く気になる日は、くるのだろうか。


足つぼ健康サンダルは履いたら終わる。歩けない。

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