シニアカーの謎
シニアカー。それは歩行困難な高齢者の強い味方、電動車椅子。
そう、電動のはずなんだよ。
わたしが十数年前に遭遇したアレは、ガソリンエンジンぽかったのだが。電動機みたいに静かではなかった。
しかもわたしはヤツにスーパー店内で轢かれかけた。
食品売ってるスーパー店内で排気ガス撒き散らすとか、なんなのさ。
とブチ切れたのを表には出さずに心配を装って店員さんにお伝えしておいた。
ぶっちゃけ、電動なら何も言わなかったと思う。あぶねーな、くらいは思っても。
歩行者扱いだからね、あれ。乗用車並の走る凶器だけど。
でも排ガスはいかん。呼吸器系のアレルギーとかある人には危険だと思う。
わたしはそれ以前にニオイでダメだったけど。
店員さんに伝えたことが原因なのか、単にその後の利用者が増えたのか、以降店の前にずらりと並ぶシニアカーを目にするようになる。
たしかわたし、「店内にガソリン車はまずいのでは」と言ったと思うんだけどな。
パッと見わからないから全部まとめて不可にしたのだろうか。それとも、もともと入店不可だったのをあのガソリン車が突破していたのか。
シニアカーにガソリン車ってあったの? という疑問だけが残った。
そんなことがあったということも記憶の片隅に追いやられた頃、というか最近すごいもんを見た。
上でも書いたが、シニアカーは歩行者扱いである。歩道走行。
スーパーを出たシニアカー、店の前の一方通行道路から歩道へ行かずにそのまま車道に合流、信号交差点を有無を言わさず右折。曲がりきったところで歩道へ上がって去っていった。
ちなみにこの信号交差点、トラックも乗用車もろくに信号を守らず事故が多発の危険地帯である。横断者を轢く気満々の勢いで突っ込んでくる右左折車がやたら多い、青信号で渡れない信号交差点でもある。歩道橋ほしい(切実
躊躇いもなにもなく、非常にスムーズな走行だったため、うっかり見守ってしまったよ。あれ、車の人も恐怖を覚えたのではなかろうか。
シニアカーは歩行者です。車道を通行してはいけません。
というか、最大速度は大人の早足というけど、あれ絶対それより早かったよ!
自転車の速度(爆走でなく普通走行)くらいあったもん。
……改造してんの?(そんなはずはない
改造といえば、前面に自転車のハンドル中央くらいに傘を固定する金具らしきものが取り付けられたシニアカーを見たり(あれ大丈夫なのかな,自転車でもアウトのはずだが)、後ろに杖と傘が差し込んである筒が搭載されているシニアカーを見たりもした。後者はなんかかっこよかった。安全面ではどちらもどうかと思うけど。
シニアカー、奥が深い。




