今年はそれなりの
栗だぁー!
売場の隅に生栗を見つけてしまい、思わず吸い寄せられたわたし。
いやそこ、普段ならスルーしてないかわたし。というほどすみっこにあった。相変わらず特殊な目をしているようで。なんで隠すかな、店。
昨年はあまりの高さにおののいて栗を見かけても近寄ることすら躊躇しているうちに、売場から消えてしまったからな。かなりの不作だったとは聞いている。今年はそれなりに実ったのかな。
あの価格を覚えていたからか、買い込んでいた頃よりは高いけれど、一応許容範囲である。次に来たときにあるとは限らない。買おう。次に来たときに安くなっていたら、今回よりも釣られるかもしれない。
というわけで、一キロ分ほど買ってきた。
今年も渋皮煮は作らない。すべて栗ごはん用だ。
処理はいつもと同じ。さっと洗った栗をボウルに入れて、熱湯ぶっかけて、さわれる程度に冷めたら剥く。もっと涼しくなっていれば寝る前にお湯かけをするけれど、この残暑では栗が駄目になりそうな気がしたから、朝やることにした。
やっぱり毎回、栗用の皮剥きを買った方がいいのかなと思うのだけれど、用途がそれしかないというのが引っ掛かり、相変わらず買えないでいる。包丁でどうにかなっちゃうからなあ。包丁の使い方が悪いせいで局所的に皮膚が薄くなるけれど。
鬼皮を剥いて、渋皮を剥いて、さっと洗って水気を切り。一回分ずつにポリ袋に小分けする。
一キロの栗から虫食いや傷んでいる栗を除いて、だいたい栗ごはん二~三合用で三回分くらいが取れる。四割くらい、皮で目減りするから。
分けた栗の袋にさとうを大さじ一ずつ入れて、栗にまぶす。栗の表面に残っている水が溶ける助けになってありがたい。
できるだけ空気を抜いて袋の口を縛り。冷凍庫へ。
使うときは凍ったまま流水でさとうを洗い流したら、洗って浸水させた米の上に乗せて炊くだけ。
あとから思えば、紅茶煮を作る分くらい取っておけばよかった。甘露煮の煮汁を紅茶にしたもの。紅茶で染まるから見た目は地味だけど、わりとすきなのだ。
でもたぶん、暑いからやりたくないが先に立ったのだろうな、思い付かなかったあたり。
とはいえ、いちばんよく買っていた頃の約一.五倍。
一キロ九八〇円の頃が懐かしい……。




