高アミロース米考 3 食べてみよう
そうこうしているうちに、ご縁ができて青森県産の高アミロース米「まっしぐら」を入手できた。しかもありがたいことに二キロ入りである。
家系図をあたると「奥羽三四一号」と「山形四〇号」の子。両親の祖父母にコシヒカリがいる。しかしアミロース値がよくわからない。高アミロース米として検索すると出てくるのに、アミロース含有率を検索ワードに入れると十七パーセントだったり二二パーセントだったりする。高アミロース米に分類されているなら、後者を信じるわけで。高アミロース米寄りの中アミロース米だろうか。
そんなこんなで食べてみたこの「まっしぐら」、食味がとにかく好みのどストライクであった。なにも考えずに普段通りの水加減で炊いたところ、少しばかり柔らかい気もする。まあ、おいおい加減していけばよいだろう。
次に炊いたときは、気持ち水を減らしてみた。初回より粒が立っている。アミロースが多いから、冷めると当然かたくなるはずなのだが、冷やご飯は嫌いではないからそのまま食べてみたら、わたしには全然許容範囲だった。
冷めてもおいしいじゃないの。これで高アミロース米とか、まじか。
「日本人、こういうところホント変態だよね」褒めているのか貶しているのかよくわからない。
これに助かっている人がいるのはたしかだ。
と、いうことは。寿司飯にいけるのでは。ちょうどかつおの刺身用サクが手に入ったところだったので、早速てこね寿司にする。うん、いける。
チャーシュー丼、普通の白飯、冷やごはん、炒飯、寿司飯と続けて食べてみて、飽きる気配がないことに少し驚いている。
ただ、高アミロースだからと調子にのって食べ過ぎるとやられるのであった。とほほ。
シュショクスキーなのに。コメスキーなのにいーーーー。
結局のところ、米である以上アミロペクチンからは逃れられないらしい。しかし、特筆すべきはやられてもダメージが少ない点である。腸のだるさがコシヒカリ系を食べたときのそれと比べると段違いに軽い。
さすがというべきか。
これは、ほかの高アミロース米も食べてみないと。そう決意した。
決意したところで「ななつぼし」を発見、とりあえず入手しておく。「まっしぐら」から続けて食べると違いがわからなくなるので、間に常備の「ハツシモ」をはさむことにする。
ひとまず、お試しであることから通販はまだ検討していない。気になる米はまだまだあるから、そのうち考えるかも。まずは居住地で手に入る(入りやすい)ものを中心に探していくことにしよう。
ちなみに「ふっくりんこ」はアミロース含有率が約二一パーセントで「ハツシモ」と同じくらいにもかかわらず、低アミロース米に負けないくらいのアミロペクチン含有量があるという。なんだそれ。
ということで即、候補から外した。
以前モニターをしたことがあるのは「華麗米」。当時はなにも知らずにカレー向けの米だなんておもしろいなくらいの軽い気持ちで応募したのだが、今ならもっと真剣に味わうのに。でもあれ買おうと思うと高いのよね。
高アミロース米を調べていて何が気に入らないかといえば、いつの間にか検索候補に「糖尿病対策」なものが混ざるところだ。まあアミロースが難消化性のでんぷんだから、高アミロース米は低GI食品として糖尿病の人向けともいえるというのがその理由なのだろう。
自覚症状が現れたときにはすでに手遅れな病ではあるが、本人そのケはないはずである。わたしの場合、なるわけにはいかない病なのである。
糖尿病食食べられないからな!
カロリーカットシュガー系はほぼ全滅。液体オリゴ糖はごく一部のみ、表示上は口にできることになっているが、そんなところで賭けをする気はない。潔く砂糖で散ってやる。普段使いは甜菜糖だが。
本当に、めんどくさい体である。
高アミロース米を探して試していくことは今後も続くけれど、エッセイ作品としてはひとまずここまで。
銘柄を移動するときは間に数日のインターバルをおかないとどう変化しているかがわからないため……。次の銘柄を食べ始めても数日経たないとわからないし。
実験、しんどくならないときはおもしろいけど、不便。




