お好み焼きが食べたい
スーパーの催事にあらわれる、お好み焼き屋さんのお好み焼きを夫に毎回ねだられて。しかしわたしはそこで使われているお好みソースが食べられないため、家族には買うけれど自分は別のものを食べる、そんなことが続くうちに。
とうとうお好み焼き食べたい熱が出た。
お好み焼き自体はこれまでも焼いてきているから、特に苦ではないのだが。
問題は、ソースだ。
どろソースをつけて食べてみたが、なんか違う。どろソースととんかつソースを混ぜてみたけれど、これも違う。とんかつソースとウスターソースを混ぜてみたけれど、全然違う。とんかつソースとケチャップを混ぜてみたけれど、近くて違う。
やっぱ手抜きはいけないな、と、煮詰めることにした。
ケチャップ、とんかつソース、ウスターソース、しょうゆ、はちみつ。
混ぜるだけ自作レシピは割と存在するが、混ぜただけだとさらっさらのソースになる。ケチャップととんかつソースのとろみはどこへ消えた。
お好み焼きのソースには粘度がほしいという、ただの我が儘である。
小鍋にすべての材料を入れ、弱火にかける。焦げ付かないように、へらで混ぜながら煮詰めていくのだが。
「ううっ、目がっっ! 目がぁ~~~~!!!!」
うん、ケチャップにもソースにも、普通に入っているからね。酢。
加熱による揮発成分で、ものすごくやられる。「さめでやらかす」回を彷彿とさせる刺激である。あれはアンモニアだったが、これは酢酸の揮発分。
つらい。
お好み焼きが食べたいだけなのに。
どうにか頑張って好みの濃度まで煮詰めたら、適当に放置して冷ます。冷ましている間にお好み焼きを作る。
作るのは、豚肉入り。個人的には、すべての材料を混ぜてしまって焼くスタイルが好きである。
「次」の予定がなくてもて余す天ぷら粉にベーキングパウダーを追加してお好み焼き生地を作る。粉末だしとたまご、水をよく混ぜたところに粉をふるい入れて混ぜておく。山芋や長芋がないから省略した分、ベーキングパウダーを足したかたちである。
もっとも、キャベツを粉でつないでいるだけのわたしが作るお好み焼きに、ベーキングパウダーがどれほど貢献しているかは定かではない。
適当に刻んだキャベツと、厚めの小口に刻んだねぎ、天かすの残りに買った目的と存在を忘れていたあみえびを合わせ、一枚分をボウルに入れたら生地と肉を加えてざっくり混ぜる。混ぜかたが下手だと肉が一体化するのが難である。広げてボウルに入れるのに、毎回なるのはなぜだ。
熱したフライパンでじっくり焼いていく。焼いたそばからなくなっていくので、コンロ前から動けない。熱くて暑い。
家族がどれだけ食べるか予測がつかないから、多めに焼いたつもりだが……なくなるんだな六枚。
一日分の野菜をキャベツとねぎで補おうとするんじゃない。微妙に足りていないけれど。
かつて粉からしをマヨネーズにダイレクトインしたら全然からしがわからなかった反省から、事前にぬるま湯で練っておいたからしにマヨネーズを混ぜる。あれだけ混ぜたのに、からしがムラになっていたようだ。
「~~~~~~!!!!!!」
涙目になるわたしに「そんなにこなかったよ、からし?」と追い討ちをかける夫。
逆でよかったのに。
天ぷら粉はまだ残っている。
子の謎。お店(専門店やテイクアウトの飲食店を含む)のお好み焼きは嫌がるのに、わたしが焼くと人の分まで食べる。
なんでや(たまに食べ足りない人




