シュー皮が焼けない
現在はオーブンがないため物理的に焼けないというのは一旦おいておいて。
わたしはシュー生地を焼くのが苦手である。
古いが性能のよいガスオーブンを使いまくっていた頃、マカロンコックは焼けるようになったのにシュー生地だけはなぜか何度焼いてもダメダメだったのだ。
できたシュー皮が真ん丸になってしまう。
膨らむし、空洞もできるのに、底がない……。
クリームを入れたいのに、肝心の皮が転がる。
笑い事ではない。
これがシュケットならまだ許せる。中にクリームを入れないミニシューだから。立たなかろうが転がろうが「まだ」許容できる。
シュケットより断然、天板との接触面積の大きな通常サイズのシュー生地になぜ底ができないのか。
考えられる最大要因は下火が強いこと。
天板を二枚重ねにしてみたり、天板の間に段ボールをかませてみたり、天板とオーブンシートの間に段ボールを挟んでみたりと、考えられることはいろいろやってみたが、まったく効果はなかった。
オーブン付属のレシピ本(むかーしのお菓子のレシピが載っている)にもシュークリームは載っていたから、そのレシピに沿ってみるまでやった。
すべて丸くなった。
――なんでよ?
しばらく間をあけてから再挑戦しても、結果は同じ。
シューは、わたしには向いていないのかもしれない。食べたいけれど。
さいごにシュケットを焼こう。
ミニサイズのシュー生地に、ワッフルシュガーを乗せて焼く。
きちんとシューの形になった。なってしまった。
――なんでよ?
納得がいかないまま、現在にいたる。
きっと、きちんと焼ける日はこない。




