わたしは今、どこにいる
子どもの頃から、よく迷子になる個体であったわたし。
成人しようが、親になろうが、そこはブレてくれない。
とても厄介な点があって「地図は読めること」。
ランドマークの確認もできる。
東西南北の確認もできる。
なのに……。
なぜ地図が読めて迷子になる?
某月某日。
乗っていた電車が運行不能になったので、たまたま停車した駅から帰る手段が得られたのもあり、迂回路ではあるもののそれを選択。
途中の乗換駅では、駅から駅まで徒歩約五分。
初めての路線、初めての駅で、自分の位置を確認するのに手間取り、気がつけばひとり。
やべ。人の流れに乗り損ねた。
GPSさまの出番である。起動するとなぜか案内してくれる方向から遠ざかっていくやつ。
今回もそう、たっぷり地図を眺めて周囲を見回し、自分の位置をしっかり確認。
いざ!
歩きだしたものの、画面がなんか変。
一ブロックほど歩いたところで「……遠ざかってね?」
ハイ、また逆方向に歩き出してました。
そんなこんなで、渡ってはいけなかった道路を渡ったり(今度こそ)案内の通りに曲がったのに道がおかしかったりしながら、所要時間の三倍ほどかかって目的駅に到着。
同じ路線で乗換に慣れてる人はとっくに去ってるよ。たぶん本来乗れたはずのから二~三本あとの電車に乗ったもの。
びば帰巣本能。
意地でも帰る。
なのに、よく知らない人から道を訊かれる。
未だにわからないままの謎である。死ぬまでに解明できないかなあ。