なんか納得がいかない
「自家製酵母」回で、これまでいろいろな自家製酵母を起こすのに挑戦してきたことを述べた。
そのうちの、いちごとヨーグルトをそれぞれ単体で酵母起こししようとするとカビが発生して失敗することを書いた。合体技のいちごヨーグルト酵母にすると成功することも。
しかし現在のわたしは、乳成分を体が拒否する。影響がでなかった最後の記憶はタンドリーチキンのヨーグルトではあるが、その後の乳成分への拒否反応を考えると、もうヨーグルトも摂らない方がいいのではないかと思っている。
そうなると、いちごヨーグルト酵母はもう使えない。
居住地ではいちごがほぼ終盤な現在、ダメ元で挑戦してみるならラストチャンスである。
というわけで、いちごを買ってきた。
何度失敗したか、もう覚えていないのだけれども。
いちご酵母はそれくらい全敗しているのだ。
毎度の材料を用意する。いちご、湯冷まし、甜菜糖。
瓶は一生懸命消毒(煮沸でも熱湯でも)するとなぜかうまくいかないので、丁寧に洗ってすすぐにとどめる。なぜそうなるのか、未だにわからない。消毒したもので作業すると失敗するとか、なんの嫌がらせか。
この瓶には、直前までいちごジャム(初回)が入っていた。蓋のパッキンにいちごの香りが強く染みていて、いくら洗っても開けるといちご。
二四時間後。
……フツーに発酵しとるやないかい。しかもこれまでになく早い。
蓋を開けると「ぶしゅー」っといい音がする。完成まではまだ時間がかかるが。
一点だけ、これまでと違うことをした。瓶をシートタイプのヨーグルトメーカーで巻くところまでは同じなのだが、そのまま冷蔵庫の上に置いたのであった。
手が届かなくて踏み台が要るからあまりやりたくはなかったのだが、置けそうな場所がそこしかなかったのだ。以前置いていた場所は空けておいた間に夫の荷物に乗っ取られていた。
梅干しを漬ける場所も同時に失ったことになる。
すんなり発酵してくれたのは嬉しいが、ダメ元で始めただけになんか腑に落ちない。
なんでこんなにあっさり起きたのだろうか。
「高いところに祭ったから?」とは、夫の説である。
いやまだ神頼みはしていないのだが。する気はあったかもしれない。
まあ、温度だろうな。冷蔵庫の上ってあったかいらしいし。
完成までにはもうしばらく時間が必要だから、できたら何を作るか考えておこう。パンケーキもいいし、ワッフルもすてがたい。さらに時間はかかるけれどビスケットパンもいいなあ。
どうしてこんなにあっさりと成功しているのか、釈然としないものは抱えているが、できるならできるで結局楽しみなのである。
酵母、なんかめちゃくちゃ元気だし。空気の入れ換えをしようと蓋を開けかけて慌てて閉じた。溢れそうだ。
シートタイプのヨーグルトメーカーは、酵母起こしのためだけに購入したものである。牛乳パックに巻いて使えるよう、サイズを合わせてあるやつ。
当時はヨーグルトの種菌と一緒に買うと割引があったけれど、使わないことがわかっている菌がかわいそうでヨーグルトメーカーだけを買った。
寒い時期の発酵ものは、ボウルの下に敷いて発酵を促したりできるので便利である。ヨーグルトは作らないけれど。




