いただきものに混乱
今年もご近所さんから、お庭産のはっさくをたくさんいただいた。このかたからは年末に柚子とレモンもいただいている。
このお宅のはっさくの木は年期の入った大木である。そして実は毎年たわわに実っている。
売っているはっさくよりも酸味がおだやかで食べやすいので、いただくなり食べ尽くしてしまう年もある。とてもおいしくて食べやすいとお伝えしたら、いただく数が増えてしまった。おねだりしたようでちょっと恥ずかしい。
はっさくの木から少し離れたところに柚子が、その隣にレモンが植わっている。これらの柑橘類は、開花時期が同じくらいの虫媒花である。チョウやミツバチなどの虫が花から花へ移動することによって受粉し結実する植物。
近くに別の種類の柑橘があったら、どうなるかといえば。
普通に混ざる。
年末にいただいた柚子がレモンで、レモンがみかん(はっさく)だった。見事なまでの交配具合である。柚子を搾ったのに味がレモン汁だったんだなあ。レモンは甘かった。
はっさくは実の大きさからか木が強いからか、そのあたりは定かではないが、味がまろやかになる程度で済んでいるようだ。だから食べやすいのだな、きっと。
いただく度に柚子とレモンは交配具合が違うから、毎回ちょっとした楽しみになっている。
そんなところに、新規参戦してきた存在があった。
隣県の親戚さんからのお福わけで、デコポンとオレンジをいただいたのだ。
これもどうやらお庭産。いただきもののお福わけである。やけにうちにきた量が多い気もするが。まあいいや。
ひとつの袋にごっちゃに入っていたから気づくのが遅れた。出すときに「これはどっちかな~?」くらいにしか思っていなかったからだ。
あたまはデコポン。にしては、ボディがやけにつるりんとしていてデコポンらしくない。
なんじゃこりゃ?
ひっくり返しておしりを確認する。
ん?
あれ、これオレンジ?
もう一度ひっくり返してあたまを確認。デコポンだ?
これ、交配してるね……。さすがお庭産……。
面白いから飾ってみている。早く食べないと水分が抜けてしわしわになってしまうのだが。中身もどんなのか気になってはいるのだが。
眺めて満足してしまう。
見た目だけだとオレンジの方が優勢ぽいのだけれど、ご近所さんの柚子の件もあるからなあ。
そんなことを考えながら、はっさくの一部をマーマレードにした。
「ざ・皮!!」な出来になった。
どこまで煮たらいいんだ皮。皮だけで一時間煮たけれど、一応柔らかくはなったけれど、口に入ると存在感がすごい。
あれかな、皮はひとつ分、実はふたつ分がちょうどよいのかな。種も一緒に煮てペクチンに頑張ってもらったからほどよくとろみはついたけれど、平らにならしたはずの表面に刻んだ皮が「にょきっ」と生えているんだもの。
どう解釈しても「皮がかたい」んだよな、これ。
水分飛ばしすぎたのだろうか。マーマレードのかたさはちょうどよかったのに。
できてから気づく「あれ、もしかしてマーマレード煮が作れるようになったのでは?」
作るのかな?




