豚肉の紅茶煮
これまでよく作っていた豚肉の紅茶煮。そう、コーラではなく紅茶である。
沸かした湯の中へ紅茶のティーバッグと豚の塊肉を放り込み、ひたすら茹で、肉に火が通ったであろう頃に漬け汁を沸かし、どちらも熱いうちに肉を汁に漬け込むタイプ。
当然、作ったその日は味が染みていないので食べると味が物足りない。食べられないことはないけれど、それがお好きな方には申しわけないけれど、わたしはおいしいと思えなかった。一~二日は漬けておきたい。
そうして味が染みた頃に薄くスライスしたらサンドイッチの具にしたり、サラダに加えたりして食べていた。
のだが。
ある日「紅茶で煮たらどうなる?」と思った。さらっと調べようとしたら飲料メーカーが自社製品でレシピを公開していた。あ、普通にあるのね。
じゃあやってみよう。
どこも参照してないけれど。
用意したのは、豚スペアリブ。「スペアリブを紅茶煮にしたらどうなの?」と思ったから。いつもはももかロースと、脂の少ないものを選ぶのだが、なんとなくやってみたかった。
塩こしょうを振ってしばらく置き、熱したフライパンで両面を焼き付ける。
余分な油を拭き取って、ひたひたの水を加え、沸かす。
沸騰したら紅茶のティーバッグを入れて一~二分ほどで引き上げる。
はちみつとしょうゆ、おろし生姜を加え、キッチンペーパー(タオルタイプがよい)で落し蓋、さらに蓋をして汁気がだいたいなくなるまで煮る。
灰汁取りサボりました、キッチンペーパーに任せて。生姜ももっていかれたけど。
さすがはちみつ、てりってり。いやまてよこれ半分くらい脂か。
水二〇〇ミリリットルに対して紅茶ティーバッグをひとつという濃いめの設定(入れる水の量で数を調整)にしては、煮ている間はそれなりに紅茶の香りがするのに、食べるときにあまり感じないのだが調味料入れすぎなのだろうか。
まあいいや。
豚塊肉独特のにおいがあまり感じないのは、紅茶の効果である。
紅茶で茹でて漬け込むタイプよりもチャーシュー寄りになっている気がする。
ごはんが進む品だな、これは。定番になりそう。
角煮を作るときの下処理(茹でて蒸すを繰り返し、脂を落とす)をしたうえで煮る手法でもいいかもしれない。
漬け込むタイプのものよりも断然ガッツリ系なので、茹で野菜などの添え物は必須である。野菜うまー。ができる。
ゆで卵を一緒に煮て、煮たまごにしてもいいと思う。やればよかったな、なぜか卵が余っているから。
六〇〇グラムで作ったら夫が物足りなそうな顔をしていたので、一キログラムで作ったら残された。
なんか負けた気がする。
残った紅茶煮はラーメンの具にしたった。
めっちゃチャーシューだった。
そして写真は全回で取り忘れた。




