ジンジャーブレッド(写真があります)
爆焼きしていた頃のお話。
ジンジャーブレッド、あるいはジンジャーマンクッキー。
ハロウィーンの頃に焼きたくなるこれ、本来はクリスマスのお菓子だったということを知ったのはいつだったか。でも関係無いねと季節を問わずに焼いていたけれど。
料理雑誌『オレンジページ』の別冊miniシリーズにあった『クッキーの本』に載っているジンジャーマンクッキーのレシピがお気に入りなのである。この本は既に絶版している。三十年くらい前のものだし。
ただこれ、ひとつだけ気に入らない点があって。材料表に載っているのが「たまご二分の一個」なのね。
「たまご半分とか、やってられるかー!」とたまご一個分、つまり倍量で作るとどうなるか。倍量ですよ、倍量。
小麦粉がなんと三五〇グラムになるのだ。めっちゃある。
万能濾し器でふるうにも一度や二度では無理。どうせ複数回に分けて入れるからまあいいや、と三~四回あるいは四~五回に分けることになる。
シナモンとジンジャーパウダーもたっぷり入っていい香り。ブラウンシュガーは常備している粉末黒糖でいいや。黒い砂糖なら皆同じだ(雑
粉末に加工されていてもつふつぶがけっこう残っているので、雑にそのまま入れて作ると焼いているときに黒糖の粒が熱で溶けてクッキーの見た目がかなしいことになる。きれいに仕上げたいときは黒糖をふるって粒を除いたり、真面目に製菓材のブラウンシュガーを買ってきたりしていた。とはいえ大半は面倒だからとそのまま粒入り黒糖で作ったけどね。
バターもたっぷりなこの生地は、型抜きするのがけっこう大変。冷蔵庫でねかした生地を伸ばしたらとりあえず冷蔵庫へ。型抜きする直前まで、天板一枚を犠牲にして平らを保ちながら冷やし続ける。
あってよかった天板六枚(普通の家にはそんなにない
暑い時期にはとても扱えない生地である。
焼いて冷ましたあと、包装待ちだったか空き容器をさがしていたときの姿である。これで本来のレシピ量。うっすら隣(右側)に写り込んでいるのはこれとまったく同じ姿の天板の縁。なにもそんな一気に焼かんでも。
左側の色が違うのはテーブルの縁。
この写真のときはハロウィーン用に焼いたから、ジンジャーマン(男の子、女の子)とかぼちゃ(栗ではありません)、黒猫、ほうきにまたがった魔女の型を使ったと思う。
クリスマス仕様だと、ジンジャーマンの他に星(『今更ながら、チョコレートの話』回に載せたツリー型から拝借)やハート、動物、乗り物の型なんかで抜いたりして。
黙々と作業するのが好き(というか没頭しがち)というのもあって、始めると延々と続けてしまう。だから、家族が出払っているときに作っていることが多かった。
そして帰宅したところで驚かれるんだな。山だし。
「趣味は餌付け、特技はクッキーです♪」と言ったら信じられてしまった時期がある。とほほ。




