クラフトコーラ
コーラ(原液)が作れることは知っていた。なにで読んだかはすっかり忘れてしまったけれど、知識としてだけ。とくにこだわっているわけではなくとも、自分で作ればクラフトコーラ。なんか職人ぽくてかっこいい。
ところが、突然気づいてしまった。スパイスチャイを沸かすから、レモン(と八角)以外の材料ぜんぶ揃ってるじゃん。
なぜ八角がかっこ書きなのかといえば、苦手なのだあの香り。五香粉もできれば避けたいくらいに。材料表にあっても省略してしまう品である。ごめんね八角。
買い物に出たついでにレモンを見に行ったら、残念なことに丸ごと使えるものがなかった。外国産のものにポストハーベストで防ばい剤等が使われるのは仕方のないことだしね。
まあいいか、レモン汁で。雑。
シナモンスティックは手で折り、カルダモンはさやに傷をつけ、クローブ、黒胡椒(ホール)、生姜はてきとうにスライスして用意しておく。レモンがある場合はよく洗って薄切りにする。
黒糖とグラニュー糖の混合でいこうと思ったらグラニュー糖が予想外に少なかったから、上白糖で帳尻を合わせる。雑。
上記の材料をステンレスや琺瑯の鍋に入れ、レモン汁半分(丸ごとレモンを使う場合はスライスを全量そのまま)と水を注いだら火にかけて、沸騰したら十分ほど煮る。火からおろして残りのレモン汁を加え(粗熱がとれてからでも)、材料を入れたまま馴染ませる。晩秋から春は室温でもよいけれど、夏は冷蔵庫で。
目の細かい茶漉しで濾して完成。
飲むときに炭酸水で五~六倍に薄める。
手順は簡単なのだが、材料を揃えるのがとにかくめんどくさい。ホールの取り扱いがないスーパーもあるからだ。シナモンがパウダーとシナモンシュガーしかなかった店では笑ってしまった。その可能性は予想してたけど、まさかドンピシャとは。
本格的にスパイスにこだわるなら、コーラナッツを使う。カフェインとテオブロミンが含まれているから、売っているコーラ感が増す。
が、スパイス専門店でも取り扱いのない店舗が多いものらしく、入手するなら通販一択。でもそんなに要るか?
なくても十分それっぽくなるから、なくてもいいやとなった。そのうち手を出す日がくるかもしれないし、こないかもしれない。
他にもレモンをライムに変えたり、シナモンをアニスやコリアンダーにしたり、バニラビーンズ(バニラエッセンスでも)を加えたりと、いろいろ手を加えて楽しむのもありである。
黒糖をはじめとする色のついた砂糖を使えば一般的なコーラっぽい色に、上白糖やグラニュー糖などの白い砂糖を使えば明るい色に仕上がる。より色を濃くしたければ、カラメルソースを追加する。
水ではなく紅茶を使うレシピには驚いた。なるほど、カフェインが含まれているのとタンニンでテオブロミン代わり、コーラナッツの代用というところか。
このできたコーラシロップ、原液を舐めてみるとコーラ味のキャンディや駄菓子のコーラ味のなにかみたいな味がする。おお、ほんとにコーラだ、という感じ。
丸ごとレモンを加えて煮ることで、皮から苦味が出て味が複雑になるのだろうなと思った。今回は汁だけだけど。あとピールが苦手な人は汁だけの方がいいだろう。
元は薬だったというだけあって、薬膳だわ香りが。さすがスパイス。
「チャーシューの煮汁みたい」と言われたが。聞かなかったことにしよう。
日保ちは冷蔵庫で二週間程度。冷凍しても四週間程度。冷凍しても凍らないから(ジャムが凍らないのと原理は同じ)、冷凍保存の方が勝手がよいかもなあ。
炭酸水で割って飲むだけでなく、アイスやヨーグルト、かき氷にかけたりと、シロップとしての利用もできる。
あれ、これもしかしてコーラ煮作れたりしちゃうのでは?
コーラ煮は別物になりそうな予感。




