122/261

その一滴が

うっかりやらかした話。

激安スーパーへ行く日は午前がまるまるつぶれる（交通機関都合）のと、帰宅が一三時を大幅に過ぎるのとで、昼食用になにかしらを買って帰ることが多かった。

某スーパーの焼き魚のお弁当が、貴重な「食べられるものが多い弁当」だったのもあり、重宝していたのだ。食べられない惣菜は家にいる人に食べてもらって解決。

ちょっと行かない間に内容がリニューアルされていて、食べられないもので埋め尽くされていた。ないた。

食べられたはずの焼き魚も、調味液漬けになっていたし。

仕入れ元変わったんかいな。

たまには贅沢してやるんだ……。

謎の決意を胸に、フライドチキンの店へ向かう。

貴重な食べられる出来合い品である。値は張るけど。

絶対に大丈夫なオリジナルチキンと、期間限定のチキン、フライドポテトを購入。

家に人がいるから持ち帰る。

期間限定のチキンは、毎回忘れていた別売ソースをようやく失念することなく注文できて、自分を褒めながら帰るわけだが。

このソースを家族に混ざってかけようとしたところで我に返る。

あれ、このソースかけて大丈夫だっけ？

あわてて確認。いたよ異性化液糖。ナゲットのソースにだっているんだから、いないわけがないのだ。

しかし時既に遅く。一滴かかっていた。

……一滴ならどうにかなるよね？

迷ったものの、食欲に逆らえずに食べた。

どうなったかといえば。

きっちり三日後「ハラいてえ……」

微量でもダメらしい液糖。強すぎるわ。

二日後でなくてよかった。通院付き添いで半日病院にいたから。

もう少し、食に対して冷静になりたい。