表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/261

半額ちゃん

今住んでいるアパートには、やもりさんがたくさんいる。

ちょうど今くらいの時期から、ちょくちょく見かけるのだ。


かわいい(爬虫類すき



子が高校生の頃、帰宅したときに玄関ドア脇にちびっこやもりちゃんがいた。近づいても逃げない。どうした。

子が手を伸ばしたら「あ、捕まえちゃった」と声が。あらー、つかまっちゃったんだ。


「あっ、かんだぞこいつっっ」


やもり、かむんだ……。そして鳴いた。あれ、やもりって声帯あったっけ……?

その後知ったが、やもりさんの顎の骨は弱い。頑張ってかみついたことによって、顎が骨折することもあるそうだ。そんながんばらんでも……。

痛くはなかったらしい。ちびっこだからかな。


「ねえ、なんか容器ある?」


え、飼うの?


「学校(生物室)に連れていくー」


残念ながら虫かごはない。網のだと逃げられちゃうしね、脱走名人だから。

容器、容器と探してみたら、プラごみにするべく洗ってあった和菓子の容れ物を思い出した。半額シール貼ってあるけど。

剥がれないんだよね、これ。粘着力強いの。貼り替え予防だな、きっと。


仕方がないから半額シールはそのままに、容器の内側を濡らしておいて(飲み水)やもりちゃんを収納する。


翌日、学校へ連れていかれたやもりちゃんは先輩により、容器のシールから「半額」と名付けられた。かわいそうに(誰のせいだ

生物室にはどこで捕まえてきたのか先住やもりさんがいたので、同じケースへ入れられることとなる。


数日後。

「半額ちゃんがいなくなったー」

「隠れてるとかないの?」

「探したけどいなかったー」


脱走したかな。先住やもりさんより小さいし。生物部のみなさん、よくいろんなものに脱走されているし(へびはだめだろう、へびは


しばしやもりさんの生態を考えて、ちょっと不吉な想像をしてしまった。



もしかして:先住さんに喰われた



可能性がないとはいえない。わたしには二匹の体格差がわからない(見ていない)から確定ではないけれど。


うーむ。

イキモノの世界って、きびしい。



翌年も子に捕まったやもりちゃんがいたが、このコはその後子の手から逃れていた。このアパート隙間だらけだから、きっと外へ脱出できたと思う。うん。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 半額ちゃんは、きっとうまいこと脱走したんだ……!(((´⊙ω⊙`))) ……半額ちゃん……えぇ名前や(何故かツボった
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ