引き篭もりと。 上
━前書━
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琴葉姉妹のほのぼの系日常小説です。因みに本編は3回で終了します。
本作品はPIXIV様にも掲載しておりますので、そちらもご覧下さい。
最近、葵が引き篭もり始めた。
原因は不明だが、まぁ良いだろう。
...いや、良くはないか。
「葵ー、ご飯出来たでー?」
「...ドアの前に置いといて...後で食べるから...」
最近ずっとこの調子だ。
幸いにもご飯はしっかり食べてくれているし、コミュニケーションだって取れている。
だが、葵の顔を見られないのはとても悲しいことだ。
勿論部屋の鍵は開いているし、突撃することだって可能だ。
しかし、このまま会っても、特段進展するわけではないと思う。
葵に会いたい、と言う気持ちを抑えながら、今日も高校に行く。
「行ってくるで~」
の一言の後、玄関の扉が閉まる音が部屋に響く。
今、この家には私しか居ない。
時刻は午前6時10分。
私は朝食を摂ろうと、扉の向こう側の世界に行く。
ドアノブを回し、静かに扉を引く。
扉の向こう側の世界が見えた。
私は丁寧にもちょっとした台の上に置かれている朝食を手に取り、1階のリビングまで持って行く。
勿論台は片付ける。
「いただきます。」
そう一言部屋に響かせてから、姉の手作りの朝食を口に運ぶ。
「美味しい...」
やはり、姉の作る料理は美味しい。
少しだけ冷めているが、それでも十分だ。
これが愛と言うものなのだろうか。
「ごちそうさまでした。」
箸を置き、両手を合わせて一言呟く。
私は、朝食を食べ終え空になった食器をシンクに持って行き、そっと置いた。