表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人少年  作者: GEN
1/3

プロローグ

一人少年

GEN作


 2147年、日本は金や銀、銅が無くなり資源不足になった。

 それによって社会やインフラに大きな影響が及び、社会に混乱をもたらした。 

 機械製品はもちろん、電気を作る事ができなくなり、電気会社はどんどん(つぶ)れ、飛行機や自動車なども不足してしまった。


「これは国家一大事ですぞ」

 副大臣が言った。

「当たり前だ。元々日本は資源に恵まれておらん。輸入ばかりだ」

 首相は(あき)れた顔で言った。

「だいたい、日本が想像以上に発展途上国だったからですよ」

「外国なんかエネルギーをゴミで作れるんですよ。資源も放置されっぱなしで(さび)がある物しかありません。これじゃ輸入すら出来ない」

 議員たちがもう終わったかのような顔をしている。  

「ならば簡単だ。その資源を使える様にしてもらうよう、要求すれば良いのだ」

「はい?」 

 政務官が思わず言ってしまった。

 そもそもこの首相は、ほとんど考えずに単刀直入に言う。

 政務官は毎回この首相が発言するたび、怒りが腹の底から込み上げてきた。

 こいつのせいでろくなことが起きないと思ったからだ。  

「とにかく、この事を相手国に伝達するのは外相に任せよう。おい、誰か外相に伝えておくれ」

(あぁ、また人任せ)政務官はまたカチンときた。

 その後は別の議題について会議し、解散となった。


 翌日、最初から皆分かっていた結果が報告された。  

「外相は報告をして下さったものの、不可能だとの相手国から返事がございました」

「何!?」

「何」じゃねぇよ、それが普通なんだよ。頭の脳みそどんだけ小さいんだよ。

 政務官は口に出そうなくらい、イラついた。

「もういい、最も簡単な方法だ。前、議員達が『エネルギーをゴミで作れる』と言っていたよな」  

「はあ」

「それを奪えばいい」

「何を言っているんですか、どう奪うんですか。他の発展途上国も奪おうとしてる。奪い合いとなれば、戦争勃発(ぼっぱつ)ですぞ」

 副大臣は言った。

「うるさい!!全ては国民が出来るだけ安心して暮らせる様にする為だ!!」

「戦争をする事こそ、国民を不安にするどころか、殺される種になるのですよ?!」

 政務官が思い切って発言した。

 しかし首相は無視した。

(駄目だ、終わった)

 政務官は確信した。この男により、歴史的悲劇を起こしてしまうのだと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ