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怪傑!OLレンジャー☆ごくごく普通の働き女子が迷惑なあいつをこらしめる!  作者: 高山流水(高山シオン)
3人そろってOLレンジャー出動!

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そして、土曜日がやって来た。三樹たちの集合場所は新宿駅の南口だった。


到着場所についたのは、三樹が最後だった。何を着たら良いのか迷いに迷って、鏡の前を行ったり来たりしていたせいだ。

というのも、桐生が褒めてくれるからだ。ちょっとしたメイクの変化、アクセサリー、洋服の雰囲気など、すぐに気がついて、そっと伝えてくれるのだ。

それで、変な色気ゴコロが生まれてしまい、以前なら迷うこともなかったコーディネートやメイクに時間がかかるようになってしまった。良いことなのか、どうなのか。


ステキだよ、と。


昼間の新宿は、たくさんの人でごった返している。その中に、二人組の凸凹コンビを見つけると、三樹は駆け寄った。


「ごめん!」

と、全力で頭を下げる。


和泉は、シンプルな白いブラウスにモスグリーンのパンツ、グレーのカーディガンにスニーカーというシンプルな組み合わせだった。彼女が愛するアパレルブランドはユニクロである。


さくらは花柄のワンピースを着ていた。小柄ながらも、スタイルの良さが際立ってる。それに、ややレトロなデザインのベージュのハイヒールを合わせていた。

彼女は背が低いことがコンプレックスなので、スニーカーなどのヒールの低い靴は基本的に履くことがなかった。


三樹は薄いピンクとベージュのボーダーニットにネイビーのワイドパンツを合わせて低めのヒールを履いていた。胸元にさりげないネックレスをつけた。カジュアルな感じにメイクもしてみた。


三樹が顔を上げると、さくらが目を見開いた。

「あれ?三樹ちゃん、なんか感じが違うよ?」


和泉もメガネに指を添えながら見ている。うんうん、と頷いている。


「なんか、きれいになったね。えーまさか恋?」

さくらがはしゃぎ、和泉が、またも頷いている。


さくらの声があまりに大きくて、通行人が何人か振り返った。冷静な和泉がそれに気が付いて教える。

さくらは、小さく肩をすくめた。


三樹も声のトーンを下げて言った。


「まさかって何よ、まさかって」

言ったはしから、頬がゆるんで顔がにやける。


「え?じゃあ、ほんとうに?」

さくらの瞳が輝く。


三樹は照れながら頷いた。


「うそー、やだー、おめでとう!」

さくらがはしゃいで騒いだ。のみならず、ピョンピョン飛び跳ねている。


またもや、行きかう人たちが何事かと振り返る。さくらが飛び跳ねるとバストが揺れるので、どうしても人目を引いてしまう。

さくらの肩を、和泉がしっかりとつかんで押さえた。


「クーパー靭帯が切れますよ、さくらさん」

和泉が冷静に指摘する。


クーパー靭帯というのは、バストを支えている大事なパーツで、切れたり伸びたりするとバストが垂れて来てしまう。


三樹は照れくささで顔を火照らせながら、

「ありがとう」

と、ぽつりと言った。


心の底から喜びが湧き上がってきた。こんな気持ちになるのは、ほんとうに久しぶりだった。


――と、その時だ。


三樹のピッチが鳴った。OLレンジャーの出動要請だ。


(こんな時に、なんだよ!)


少し顔をしかめながら、さくらと和泉の顔を見ると、二人はそろって頷いた。三樹も頷き返す。


そして、リーダーらしく言い放った。

「三人で行って、一気に片付けるよ!」


「了解っ」


この言葉だけが残響のように風に流され、次の瞬間に三人の姿は消えていた。

OLレンジャーの三人は昼間からの女子会のため、新宿に集合した。

こんな時に限って、レンジャーの要請が入った……!

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