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怪傑!OLレンジャー☆ごくごく普通の働き女子が迷惑なあいつをこらしめる!  作者: 高山流水(高山シオン)
妄想とトキメキの片思い!干物女は卒業できるの!?
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そうは言っても、心の中に、もくもくと不安の雲が湧き上がってくる。水沢が桐生に興味を持っていることは間違いがない。彼氏がいるくせに。


「桐生さん、何か食べたいものありますかぁ?」


水沢が楽しげに話しかけている。桐生の腕にそっと手を置いているのを、三樹は見逃さなかった。


「うーん。とくに嫌いなものもないし、僕は何でもいいよ」


「じゃ、あたし、決めちゃいますね!」


仲良く並んで歩いているふたりは、いかにもお似合いに見える。その後ろを、三樹とヒガシ君は並んで歩いていた。


「ええ?ちょ、ちょっと!こっちには聞かないの?」


などと、ヒガシ君は前を歩くふたりに楽しげに割り込んでいる。


(ヒガシ君のこういうところ、羨ましいんだよなぁ……)


これがもし、ヒガシ君なしの三人だったら、もっときつかった。ヒガシ君の存在には、ほんとうに助けられていると思った。


「ヒガシ先輩には聞きません!」


水沢が振り返って顔をしかめる。


「町田主任、どこか行きたいところ、あります?」


「お任せするわ」

三樹は微笑む。うまくいったと思う。


「了解ですっ」


水沢はすぐに桐生に向かって、お喋りを始めた。桐生も、にこやかにそれに応えている。ふたりのやり取りに、聞き耳を立てたくて仕方がない。何を話しているのかが気になって、気になって……。


ふたりの距離が気になって……。


でも、三樹には、先ほどのヒガシ君のように、ふたりの会話に自然に割り込むような器用なことはできない。


三樹の心境に気がつくはずもないヒガシ君が、しきりと話しかけてくる。ヒガシ君の顔が楽しげなのに、ほんの少しだけ、気持ちが救われる。


でも、やはり、前のふたりのことばかりが気になった。


ヒガシ君のお喋りに笑顔で相槌を打ちながら、三樹はまったくの上の空だった。

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