表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪傑!OLレンジャー☆ごくごく普通の働き女子が迷惑なあいつをこらしめる!  作者: 高山流水(高山シオン)
OLレンジャーのち女子会
21/82

21

ちなみに、今日、OLオレンジこと和泉は、楽天スーパーセールのためにパソコンに向かっていた。

いろいろなショップを買い回ることによって、どんどんポイント率が上がっていくシステムなので、この日のために買い物を控えていたのだ。


本気度が違う。本気と書いてマジだ。


多摩川家のやりくりを任されている彼女は、ここぞとばかりに米を買ったり、保存の効く食品を買ったりする。このために、彼女は明晰な頭脳を駆使して、多方面から綿密な計算をしてきたのだ。


目を付けていた品物は、すでにお気に入りに登録してあった。凄まじい気迫である。


和泉は、独身で実家暮らしをしている。そして食事の支度が、彼女の主な役目だった。


というのも、彼女の母親は、料理のレシピに関して、ひとくオリジナリティーが強いのだ。分かりやすく言うと「味音痴」だった。そのため、まともな料理ができない。


姉のちとせも、残念なことに母に似てしまった。


父は料理などしたことがないが、味覚は正常だった。和泉の味覚は、運よく父親に似た。


だから、和泉が子供のころから、多摩川家のお勝手を任されていた。


子供の頃の和泉。


よく見るテレビはアニメでもバラエティでもなく料理番組だった。

りぼんやマーガレットを読む代わりに、NHK出版の料理本などを読んでいた。市の図書館に行けば、いくらでも読むことができた。

最初はメモを取ったりしていたが、熟読しているうちに覚えられるようになっていった。ついでに漢字も覚えた。子供向けの、可愛いイラストなどが入った料理本もあったが、和泉には物足りなかった。


こんなに真剣に、大人向けの料理本を読み込む女子小学生は珍しかったことだろう。見ず知らずの大人たちの好奇の視線を感じることはあったが、和泉は気にしなかった。母から料理を教わる望みがなかったので、自分で学ぶしかなかったのだ。


それが、気が付いたときには、お勝手どころか、家計そのものが、和泉の管理するところとなっていた。和泉が実家にいるのは、無駄遣いをしたくないため、というのもあった。

それ以上に、両親の、とくに父のためでもあった。母にお勝手を任せていたら、父の中性脂肪だとか、いろいろが心配になる。


ちなみに、姉のちとせは、早々に玉の輿に乗って、今はお手伝いさんがいるし、夫も料理が好きらしい。なんと都合のいい結婚をしたものだろうか。

おっとりとして何も考えていなそうな姉だったが、自分のスタンスをよく分かっていたらしい。清楚で控えめな雰囲気の見た目も、大いに利用したに違いない。


生意気盛りの甥っ子と姪っ子がいるのだが、子供慣れしていない和泉は、いつも手を焼かされていた。


それはさておき。


この日はパソコンで忙しかった。そして大切なタイムセールがあった。だからレンジャーの呼び出しに応える訳にはいかなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ