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怪傑!OLレンジャー☆ごくごく普通の働き女子が迷惑なあいつをこらしめる!  作者: 高山流水(高山シオン)
ブルーな雨の朝だけどアラサー干物女いきなりの胸キュン予感!?
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「それにしても、すごい車だったね。ぴっかぴかの黒塗り。あれ何?外車?」


「えー?知らないですぅ。あたし、車に興味ないし!」


 ヒガシ君と水沢が盛り上がっている。


 三樹は両手を使って、水沢杏の父親が所有しているらしい車のサイズをイメージした。


先ほどヒガシ君がゼスチャーで示した車を、そのまま実体化したら……


(ん!?んん!?これってリムジンじゃ……!?)

(水沢の父親はリムジンを持っているのか……!?ぴっかぴかの黒塗りの!?)

(そして、それで出勤しているのか……?そのついでに娘を送っていくのか……!?何者!?社長!?)


水沢を見ると、何気なく持っているバッグはピカピカのブランド品だ。


(へー、へー……)


なんだか、急に、いろいろなことが空しくなってきた。


(私はしめっぽい満員電車で、ぎゅうづめになりながら来たのに……。期待していた出会いも何もないままに……)

(それなのに……、このちゃらんぽらんな後輩は、超がつくほど快適な車でドア・トゥ・ドアなのか……)


(がんばれ!がんばれ労働者階級!がんばれ社畜!)

(あぁ!どんどん落ちるわー……)


(じゃなくて!とにかく!今日の占いでナンバーワンのやぎ座よ!これからよ、まだまだ挽回の余地はあるわ!)


ただ、これではっきりした。


水沢が早く来たのは、彼女自身の判断ではない。ただ単にパパの車で送ってもらった結果、早く着いちゃっただけだということが。


(なのにあの言い方)

(そして、すっかり信じ込んでしまった自分。感動すら覚えたのに……!)


 正直者の、そしてちょっと残念なヒガシ君……。そういう情報は、いらなかったなぁ……。


知らなきゃよかった~♪て思うことば~っかり~♪


三樹の心の中で歌が流れる。


そうだ、学生のときに付き合っていた男がミスチルのファンで、カラオケと言ったらミスチルばかり歌っていた。


(それで、心のままどっか行っちゃったな……)


いらないことを思い出させてくれてありがとう、ヒガシ君。ニシヘヒガシヘ、ヒガシ君。


ふと、窓の外を見る。雨は止まない。

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