冒険者になろう
「ううぅぅ・・・ぅぐぅぅう」
酔った。初めて船に乗ったせいか物凄く気持ち悪い。
船って結構揺れるんだね。
・・・とりあえず、ガルアーナ大陸に着いたのでやることといえば、
ーズバリ冒険者になる事である。
色々情報を集めるには冒険者になるのが一番手っ取り早い。
よーし!自由組合を探すぞー!
・・・
・・
・
港を出ると、一番最初に見えるのは「ウォウル」と呼ばれる町がある。
港が近いため、魚を売っている店が多い。
周りを見ると、色んな種族がいる。
人間はもちろん、ケモミミが生えている獣人や、少し背が低いドワーフ、耳が長いエルフもいる。
ゲーム好きにとって夢のような事である。
正直、私も「フゥゥゥーーーーーーーー!!!異世界最っ高!!!」と叫びたい。
だが、その衝動を抑えなければ、頭がオカシイ人になってしまう。
「落ち着け私!」
気合を入れ直す。
なんとか落ち着いたので、ふと、前を見ると赤いレンガ造りの大きな建物があった。
お城みたいな建物だなぁ。なんの建物だろう?聞いてみよう。
「あのーすみません!あの建物はなんですか?」
優しそうなおばさんに聞いてみる。
「おぉーお嬢ちゃん綺麗だねぇ!ココは初めてかい?あれは自由組合の建物だよ。冒険者登録ならあそこで出来るよ。」
「ありがとうございます!」
・・・うん、いい町だな!
気分良く「ルンルン♪」と鼻歌まじりに歩いていくと、
「キャーーー!?ドロボーーー!?」
悲鳴があがる。
・・・やっぱり、どの世界でもこういうヤツはいるんだよなぁ。
このまま無視する訳にも行かないので、
ータッ
「あっ!?なんだお前!退け!殺すぞ!」
はぁ・・・刃物振り回して、危ないなぁ。
「ちょっとお嬢ちゃん!?危ないっ!」
さっきのおばさんが心配してくれてる。優しいなぁ。
サッと一瞬で跳び上がり、相手の後ろに回り込む。
相手は消えたように見えただろう。
「なぁ!?消えた!どこ行きやがった!?」
「後ろだよ。」
ーバシーン
後ろから足払いをかける。すると、体制を崩した。
体制を崩すと同時に、私はソイツの腕を掴み・・・
「セイッ!」
一本背負いでぶん投げる。
「グヘッ!?」
今の一本背負いで気絶したドロボーを縛り上げ、盗んだ荷物を回収する。
実は、柔道や空手は得意なのだ。この世界でも通用するんだ。良かった・・・。
そんな事を考えていると、
「ワアァーーーーーーー!!」
と歓声が上がる。
一瞬、何事かと思ったら
「お嬢ちゃん!すごいねぇ!」
「冒険者かい?」
「ありがとうございます!」
と言われながら囲まれてしまった。
・・・悪い気はしないが進めない。
抜け出せずに四苦八苦していると、
「君があの男を捕まえたのかな?」
と言われて振り向くと、威厳があって茶髪のおじさんが立っていた。
誰?と思っていると、
「おいっ!?あの人自由組合総師じゃあ!?」
「ホントだ自由組合総師だ!」
「なぜこんなとこに?」
ナルホド、この人は自由組合総師なワケですな。
周りの人が驚いてるから、あまりこんなところに来ないのかな?
「あの・・・捕まえたのは私ですけど、何か問題が・・・?
「いいや、君に感謝したくてね。色々聞きたいから自由組合の建物に行こうか。」
「あっハイ。」
やっと抜け出せた。というか、どうせ自由組合に行くんだったら、このまま冒険者登録しようかな。
そんなことを考えながら自由組合へ行く。
・・・
・・
・
「・・・なるほど、そうだったのか。感謝する。」
色々説明し終わると、感謝の言葉をもらった。
「ところで、君は冒険者になろうと考えているかい?」
その言葉を待ってました!
「あっハイ、冒険者になるために来たんです。」
「ほう、そうか。ならこのまま登録しようか?」
「お願いします!」
即答で答える。
「よし、わかった。じゃあこの水晶に手をかざしてみてくれ。」
なんだろ?この水晶?紫がかった水色をしている。とても神秘的だ。
とりあえず手をかざしてみる。
・・・ブワ・・・バチバチッ!!パリーン!!
「「え?」」
強く光った後、凄い音を立てて割れる。
なんか割れたんですけどぉ!?
え?え?これ大丈夫かな!?と驚いて、
「えーと?コレはどういうことですか?」
と聞いてみる。
「・・・信じられん。凄まじい魔力だ・・・。」
あ、コレって魔力測定器だったのか。
「えっと、コレってどうなるんでしょう?」
「あ・・・あぁ。コレは文句なしのAランクだな。」
「Aランク?ですか?」
「あぁ、冒険者にはランクがあって、
Fランク: 一番低いランク。見習い冒険者
Eランク: 少し経験がある冒険者
Dランク: ようやく一人前の冒険者と認められる
Cランク: 一番数が多い冒険者
Bランク: 十分な経験と強さがある冒険者
Aランク: 一般的な冒険者の最高ランク
そして、魔王を監視や討伐などの特別な任務が出来るSランク
・・・がある。Sランクは普通はなれないから、魔王討伐の精鋭部隊ぐらいに思っておくといい。」
「わかりました!」
ほうほう、なるほど。そういう設定ね。
つまり、私は一般的な冒険者の最高ランクってわけだね。
「Aランクは一般的な依頼は全て受けられるぞ。」
「そうなんですか。」
全部のクエストを受けられるのか。Aランクって便利だな。
「じゃあ、早速クエストを受けたいです!」
「ああ、わかった。
そういえば、自己紹介してないな。
俺はギールだ。知っての通り自由組合総師だ。」
「私は、レイ・・・ナ。レイナです。」
危なかった。レイって名乗るところだった・・・!
「これから、よろしく頼むぞレイナ。」
「はい。こちらこそ。」
この日、私は冒険者となった。




