12章 3話 ああ類友
「さあ、入りますか」
と、ルカが言うと、武田将軍がまて、と制した。
?なんだろう。
そう思ったが、訳はすぐにわかった。
武田将軍はドアをノックし、「オンタイより参りました、武田です。失礼します」と言うと、ドアに手をかけ、
「全員!ドアから離れろ!!!!!!」
と叫んだ。
全員はその声に驚き、パッと離れる。すると次の瞬間、
カカッという音がしたと思ったら、向かいの柱に2本のダーツが刺さっていた。
見事に鉄の柱にぐっさりと刺さるダーツ……これが額に刺さっていたらと思うと鳥肌がたった。
全員が呆然とするなか、武田将軍だけは、
「おい、ジロー。お前来客を殺しにかかる癖は抜けないようだな」
と言い、奥に座っていた男の人の胸ぐらを掴んだ。
掴まれた男の人は、ははは~と笑い飛ばし
「いや、俺はダーツの練習をしてただけなんだよね。そこに君らが入ってきたんじゃん?」
「おまっ……来る度に必ずダーツの練習してるやつがあるか!?しかもドアに向かって!」
「心外だなぁ、俺はいつだってダーツしかしてないよ。それにここからドアまでちょうどイイ距離なんだ」
そう言い、またへらへらぁっと笑い、ダーツを構えて見せた。全員はササッと物陰に隠れる。
なんだ、この人は。
『ジロー』と呼ばれた男の人は、ルカ達に気がつくと、やぁと手を振った。
「俺はサバクの将軍、中村……の弟の方の『ジロー』だ。兄貴の『タロー』は今は仮眠中だ。起こすと殺されるぞ」
……色々突っ込みどころが多すぎる。
まず……名前雑じゃね?
そんなことを考えていたのが顔に出ていたのだろうか、ジロー将軍はこちらを見て
「これは徒名ってやつだ。本名は内緒。謎が多い方が男には磨きがかかるっていうだろ?」
「いや。お前はただただ覚えてないだけだろ」
からの武田将軍のツッコミ。
そこで松浦隊員が叫んだ。
「俺と一緒!俺も名前覚えてないんです!」
それに対して全員が言ったことは、名前に関してではなく、
「「「え、まって他の隊員どこいったの!?!?」」」
だった。
あんなにいたはずの隊員達が、いつのまにか松浦隊員のみになっている。何故だ!?書き分けが面倒だからか!?
すると松浦隊員は事も無げに、
「女子隊員は買い物にいきました、リュウノスケはなんか知らない男の人に連れ去られて、日比野と別府隊長は知りません!」
「え、それだいぶやばくない?」
カホ様は、そう言いつつも大爆笑である。(いや、笑い事ではないような……)




