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幕間A*  古の種族

 かつて宇宙そらは歌で満ちていた。

 歌は、恒星風にのり、星々の彼方へとひびき、超銀河団をこえ、ボイドをわたり、膨張する宇宙と一体となっていった。


 ひとつの知的生命体がその種族すべての生命いのちをかけてうたった歌。


 そのいにしえの種族たちは、水棲の哺乳類として、彼らの母星で進化した。

 長い長い時の流れの果てに、彼らは、その生活圏を宇宙そらへとひろげていった。

 きわめて高度な文明をきずいた古の種族は、知的生命体ゆえの好奇心によって、宇宙の星々をめぐり、自分たち以外の知的生命体を探した。


 すぐに宇宙の友人たちに出会えるであろうという彼らの期待は、しかし、裏切られ続ける。


 どれだけ探索しても、どこの星系にも、彼らの基準で知的生命とよべる生物は、発見されなかった。


 だが、古の種族はあきらめなかった。

 彼らは、さらなる情熱をもって知的生命体をもとめ宇宙の探索をすすめた。


 あらそいや貧困もなく、生命すらコントロールできるほどの文明をもった彼らの種族。その共通目的が、いつしか自分たち以外の知的生命体の発見という一点へと収束されていった。


 膨大な年月と労力をかけ、彼らは、いくつもの銀河を探査していった。

それは、永遠にちかい寿命をもち、全能といってもいいほどの技術力をもつ彼らにとっても、はなはだしく困難な事業であった。


 いつしか、古の種族たちは、絶望的な孤独にさいなまれていった――。

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